6戦全勝でサザンクロス杯Vの浦和南 前期はS1リーグ2位もチームはまだまだ発展途上、「一夏越えて」勝ち切れるチームに
名門・浦和南高校サッカー部OB指導者のチームが一堂に会するフェスティバル、「サザンクロスカップ」が1日から3日間の日程で行われ、浦和南が6戦全勝で昨年に続き、連覇を飾った。
最終日・最終試合は5戦5勝の浦和南と、4勝1分けの山村国際との事実上の優勝決定戦に。その中で浦和南は縦に速い攻撃やクロスからの折り返しなど徹底したアタックで相手を圧倒した。
そして最前線ではFW立沢太郎(3年)が存在感。前半8分に右クロスから左SH中嶋陽(3年)が折り返したボールをヘディングで決めて先制。さらに12分にはGK岩城愛斗(2年)のキックを起点に、左SB橋本優吾(2年)のクロスに走り込んで再びヘディングで流し込んだ。
前半26分、28分には昨年から主軸を担うMF伊藤北斗(3年)が絡み、中嶋、FW安藤祥希(3年)がゲット。さらにATには安藤のダイレクトシュートを、最後立沢がコースを変えてハットトリックを達成するなど、前半だけで大量5得点を記録した。これには普段はあまり表立って選手を褒めない野崎正治監督も「30分で5点を取れるというのは、褒めましたね」と振り返る。
HT明けはそれまでの試合と同じようにメンバーを一新。その後も積極的に入れ替えを図っていく中で追加点は生まれなかったが、そのまま5-0でゲームを締めて、6戦全勝で優勝を飾った。
主将のCB古市颯真(3年)は「全勝で優勝するのはマストでやろうと思っていた」とし、「この大会が目標じゃない。これを通過点にリーグ戦や選手権で勝ち残っていけるように」と語った。
今年はトーナメントでは結果を残せていないものの、S1リーグ戦では前期を終えて3勝6分0敗で、首位の武蔵越生と勝ち点1差の2位につける。負けなしは10チーム中、浦和南が唯一だ。
それでも古市は「前半戦は負けなしで行けたんですけど、やっぱり勝ちの試合が少なかったので、勝ち切れないところは課題。トーナメントもインターハイでは狭山ヶ丘に負けてしまったので、試合を通してチームで最後勝ち切る、そこが課題だったかなと思います」と反省を口にする。
野崎監督も「前期はうちより実力的に上のところに一生懸命くっついている段階なので、後期は主導権を取って勝ち点を積み上げていきたい。何しろ、守って、守っていまは引き分けが多い。後期は相手に合わせるのではなく、勝ち点を自らもぎ取っていくような内容にしたい」と話す。
そのためにも「一夏越えて」の成長がキーとなる。「(チームは)まだ発展途上。これからまた遠征も行きますから、もっと経験させたい。この一夏を越えて、誰が一皮剥けてくるか」(監督)。サザンクロス杯では1、2年生も含め多くの選手に等しく出場機会を与えていた。大会後は和倉ユースを含む2大会に出場するため金沢遠征に。和倉では大津や日大藤沢、四日市中央工といった全国区の強豪と対戦し、自分たちの立ち位置を確かめ、やるべきことが明確になったはずだ。
その上で力をつけて後期リーグ、昨年のリベンジに燃える選手権予選へ――。古市主将は「やっぱり去年先輩たちが決勝まで行って、決勝で負けた姿を生で見ているので、そこの想いは全員強いと思いますし、リーグ戦もいま順調に来ていると思うので、そこで勝って上に上げたいという想いもある。ここからこの夏にかけてが大事になってくると思うので、そこはチームとしても、個人としても、まずは選手権で勝てるように、これからチームで切磋琢磨出来ればいい」とした。この夏、大きく成長して、2018年以来となる選手権出場、そしてプリンスリーグ関東昇格に挑む。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和南 5-0 山村国際
5(前半)0
0(後半)0