埼玉成年男子がPK戦制し、代表決定戦へ! 13年以来の本大会へ、FW小林秀征主将「期待に応えられるように頑張りたい」

第77回国民体育大会 関東ブロック大会成年男子の部1回戦が20日に行われ、埼玉は1-1からのPK戦の末に神奈川を下した。本大会進出を目指し、21日の代表決定戦で千葉と対戦する。

「35分ハーフでいつもより20分少ないので、先に点数を取ってというのが絶対的に有利になる。立ち上がりから行って、先に点を取ろうと」(筒井剛毅監督/アヴェントゥーラ川口)

序盤から埼玉は主将のFW小林秀征(アヴェントゥーラ川口)のスピードを生かしたアタックやそこからのサイド攻撃で神奈川のゴールに迫った。その中で前半1分にはエリア内に侵入したFW桜井潤人(アヴェントゥーラ川口)の右足シュートがニアポストを強襲。また、左SBの臼倉雄生(共栄大学体育会サッカー部)のロングフィードから小林が抜け出しチャンスを作った。

前半はスコアレスで終わったが、後半も立ち上がりから桜井が積極的に仕掛ける。すると6分、桜井のクロスから左SH中村祐隆(アヴェントゥーラ川口)がヘディングで沈めて先制した。

その後は神奈川の猛攻にさらされる機会が増えたが、後半14分のピンチはGK新海隼(アヴェントゥーラ川口)が好反応を見せて掻き出す。終盤はメンバー交代などを駆使しながら逃げ切りを図ったが、終了間際の35分にPKを与えてしまい、これを決められ失点。36分にはセットプレーからCB福田俊介(アヴェントゥーラ川口)がボレーで、37分には小林がクロスに合わせてゴールに迫ったが、決めきることが出来ず、勝負の行方はPK戦にもつれ込むこととなった。

それでも埼玉は新海と代わって入ったGK本山航大(アヴェントゥーラ川口)が2本目と4本目を止めるなど起用に応える活躍。最後はベテランの福田がしっかりと蹴り込んで勝負を決めた。

筒井監督は「普段から1点は事故であるので、2点取るチームを作ろうと話している。プラン的には思い描いた通りにいったんですけど、最後のところでああいう形で1本取られてしまったので、やっぱり2点目ですね」。小林主将も「チャンスはあったので、あとは決めきる部分。セットプレーもあまり精度が良くなかった。うちはセットプレーも強みなので、その精度も上がってくればかなりチャンスになってくると思いますし、そこはもっとやっていきたい」と語った。

先週は弟分の少年男子がPK戦の末に神奈川に敗れていた。小林は「その話は代表の方から聞いていて、少年の借りは成年で返してやるぞと思っていたのでそれが出来て良かった」と話す。

筒井監督は「少年は結果を残している中で成年としても、埼玉代表として結果を残さなければいけないと思っている。もう一回全国に行ってやろうというのは常に話している」と力を込める。古くは埼玉教員や浦和クラブが、都道府県の代表チームによる対抗戦となった1970年以降も複数回の優勝を飾っている成年男子だが、日本一は98年が最後、国体の出場は2013年以来ない。

今年は昨年、天皇杯本大会初出場を果たしたアヴェントゥーラ川口の選手を中心とした構成で臨む。小林は「サッカー協会の方もそれ(13年以来の国体出場)を期待して、うちを主体としてチームを選んでくれたと思う。その期待に応えられるように頑張りたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

神奈川成年男子 1(2PK4)1 埼玉成年男子
0(前半)0
1(後半)1
2(PK)4