昌平が2戦連続の3発で前回4強の星稜を下す!日本一を狙うために、次戦も「3-0以上」での勝利を目指す

令和4年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技は25日に2回戦を行い、埼玉県代表の昌平は石川の星稜に3-1で勝利した。26日の3回戦では日章学園(宮崎)と対戦する。

藤島崇之監督は「最初の入りは星稜さんの勢いに、というかプレスの速さ、あとはやっぱり距離感の良さというところですごく相手の良さが引き立ってしまったゲームになりましたけど、その後、修正すべきところは修正しながら、キャプテン・津久井を中心に粘り強くやるところと、あとは攻撃的な部分も、もちろん繋ぎながら、ボールを動かしながらというスタンスと、相手が速くプレスをかける分、背後を取るというところのスタンスを持ち合わせながらやれたのがまずひとつ得点に繋がったので、そこはひとつ良かったかなと思います」と前半の戦いを振り返る。

立ち上がりは相手の速いプレスやロングボールによる攻撃もあり、なかなか中盤でペースを作ることが出来なかった。この状況を打破すべく、指揮官は早い段階で手を打つ。クーリングブレイク明け、この日スタメンしたFW鄭志錫(1年)を下げ、FW小田晄平(2年)を投入した。

「今回FW登録の選手は結構入れている状況でタイプの違う選手が数多く入っている。そういった中で今日チソに期待している部分もありましたけど、相手がどっちが嫌かという状況の見極めの部分で途中から小田を入れた。そこは本人も動き出しの速さだったり、スピード感だったり、180cmあってのスピード感なので、そういった部分で良いものが出たかなと思います」

抜け出しの妙がある小田を入れて、相手をひっくり返しに。エースMF荒井悠汰(3年)もFC東京で身につけたオフの動きから、何度か裏抜けを試みる。守備ではDF津久井佳祐(3年)主将が相手10番FWとの勝負で「ああいうがっちり系に競って勝つのが好きなので、やりがいがある」と何度も跳ね返し、28分の抜け出しにはGK上林真斗(3年)がしっかりと対応した。

試合が動いたのは後半34分。昌平は1回戦でも好配球を見せていたMF土谷飛雅(2年)のロングフィードにMF篠田翼(3年)が抜け出し。GKとの1対1を冷静に沈めて均衡を破る。

これで流れに乗ると、後半は中盤でボールを捕まえながら、昌平らしいダイレクトプレーを交えた攻撃で連続してアタック。左SBの武村圭悟(3年)が立ち上がりから好突破を連発した。

後半2分には武村がドリブル突破でFKを獲得。このFKのこぼれ球を小田が左足でダイレクトで突き刺して追加点。4分には武村の縦パスに抜け出した篠田が持ち前の推進力の高さを発揮してゴールに迫る。これは相手GKの好守に防がれたが、篠田はクーリングブレイク明けの18分にDF石川穂高(2年)の正確なロングキックに抜け出し、しっかりと沈めて勝負を決めた。

終盤に1失点したこともあり、藤島監督は「らしさもありましたけど、フォーメーションが変わって、相手の枚数が増えたところでの対応という部分でまたちょっと課題も出た。そこはまたボランチの守備の修正だったり、考えていかなければいけない。そこをゲームの中でちょっとやっぱり修正したかったというのが現状」と話すにとどめたが、少なくとも後半開始から3点目を取った20分までのプレーは初戦からの向上が見られた。津久井主将も失点を悔やみながらも、「緊張も取れてきて、(今大会で)初めてよく出来たのかなとは思います」と手応えも示していた。

指揮官も過去にチームになぞらえつつ、「やっぱりチームとして、大会を通して成長を遂げながら、ひとつひとつの部分でチーム力を上げていくというところがすごく大切。インターハイでベスト4が2回ありますけども、その時もやっぱり試合を通して、徐々に成長している実感を選手たちが持ちながらやれていたので、今回もそういう形で、勝ち方というところはいろいろあると思いますけど、成長を実感してという部分は大切にしながらやっていきたい」と話していた。

次戦は初戦を終えて、津久井主将が「とりあえずあと2回は順調に勝たないと優勝はないと思っている。あと2試合順調に勝って、そこから」と話していた3連戦の3つ目。相手は宮崎の強豪・日章学園に決まった。今年1月のニューバランスカップでも対戦し、3-0で勝利している。

「いま3-0、3-1と来ているので、次は0で抑えて、しっかり3-0以上で勝ちきりたいと思いますし、そうじゃないとその先に行けないと思うので、同じようにやっていきたい」(津久井主将)。次戦もしっかりと勝利して、自分たちが日本一に挑戦出来るチームだと証明する。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 3-1 星稜
1(前半)0
2(後半)1