高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2019関東参入決定戦 昌平 vs ジェフ千葉

高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2019関東参入決定戦(25日、鹿島市卜伝の郷運動公園)。昌平はジェフユナイテッド市原・千葉U-18を3ー0で下し、来季の昇格を決めた。

昌平はFW小見洋太、今参入戦はトップ下に入るMF紫藤峻らがプレスをかけてボールを限定し、中盤で小川優介、柴圭汰のボランチコンビがことごとくボールを回収してペースを握った。

中盤以降は多くの時間帯を敵陣でプレー。相手ディフェンスも集中しており、なかなか決定機は訪れなかったが、それでも前半終了間際にゲームが動いた。43分、小川がゴール前で相手のパスをインターセプトするとひとつ持ち出してラストパス。小見の左足シュートは惜しくもクロスバーに嫌われたが、こぼれ球に詰めたMF渡邉建太がネットに突き刺し、均衡を破った。

さらに昌平は後半立ち上がりにも続けて得点。2分、高い位置で奪ってコーナーキックに繋げるとDF大竹琉生のピンポイントクロスをDF西澤寧晟がヘディングで合わせリードを広げる。

その後ジェフ千葉はU-18日本代表で190cmの長身FW櫻川ソロモンら3選手を一気に投入。システムも2トップに変更すると押し込まれる時間が増えたが、ここを粘り強く凌ぐと、今参入戦は怪我の影響で2試合ともに途中出場だったMF須藤直輝が果敢な仕掛けから値千金のPK奪取。これを水戸ユース戦2ゴールの小見がしっかりと沈めてダメを押した。終わってみれば3ー0の完勝劇で、昌平が2015年以来5年ぶりとなるプリンスリーグ関東復帰を果たした。

昌平が念願のプリンス復帰! ステージが上がった3年前。スタイル積み上げリベンジ

千葉とはMF針谷岳晃(磐田)、MF松本泰志(広島)を擁した2016年の決定戦でも対戦したが、決めるべきところで決めきれず、延長後半終了間際にセットプレーから決められて敗戦。この試合では中盤を省略したロングボール攻勢が取られるなど、徹底した昌平対策が見られた。

同年のインハイでは3位に入っていたものの、初出場で全国的にはまだ無名、ノーマークという状況もあった。当時、藤島崇之監督は「主導権を持ってやれる状況から、相手に分析され、やりたいことに制限がかけられるようになったのはステージアップ。これを乗り越えていけば真の実力がつくと思う」と話していた。そこから3年、チームとしてポゼッションという軸は焦らさずに毎年スタイルをブラッシュアップ。そのバトンは現在の選手に受け継がれている。

「良い形を作れているのは先輩たちからの上積みというか、積み重ねができている部分。その積み重ねをしっかり大切にしていたからこそ、自分たちで主導権を握りながら、そこでゴールを目指すという判断もできた。そういう良さが出てきたかなと思います」と藤島監督はいう。

3年前に感じた「ステージアップ」と新たに現れた「大きな壁」。それでもここを乗り越えていけば確かな力を手に入れられるという実感はあった。そしていま昌平は確かに強くなった。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 3-0 ジェフユナイテッド千葉U-18