高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2019関東参入戦 水戸ホーリーホック vs 昌平

高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2019関東参入戦・第1日(22日、鹿島市卜伝の郷運動公園)。昌平は水戸ホーリーホックユースを4ー1で下し、来季の昇格に王手をかけた。


出足の鋭い守備と連携で流れを掴んだ昌平は前半10分、GK牧之瀬皓太のロングキックが風に乗って伸びると、このボールに反応したFW小見洋太がダイレクトで振り抜いて先制した。

その後も昌平はボランチを中心に奪ってはパスを繋ぎながら常に相手陣地でプレー。そこにMF鎌田大夢やMF小川優介が時折見せるダイナミックのドリブル突破でアクセントを加えていく。また、この日左サイドで先発したMF渡邉建太も積極的にシュートを狙っていく姿勢を見せた。

前半31分には先制点で警戒度が上がり、ポストプレーも効いていた小見がドリブルで相手選手3人を引きつけて絶妙なスルーパス。これをMF紫藤峻がゴール左隅に決めてリードを広げた。

前半ラストにコーナーキックから失点を許したが、「後半も良い形で集中してできていましたし、そこにプラスα関わって行ける選手も増えてきた。そういった意味では最後のクオリティーはしっかりと出せたかなと思っています」と藤島崇之監督。後半も気持ちを切らすことなく自分たちの戦いを貫いた昌平は6分に左サイドの連携からインサイドを取ったDF大平奨悟の横パスから小見が動き出しで相手守備を剥がして、身体を反転させながら左足で撃ち抜いて2点目を記録。さらに32分にはオーバーラップした途中出場のDF大竹琉生が左足でニアを射抜いた。

後半はMF須藤直輝やMF大和海里らを投入。最後までペースを切らすことなく、勝ち切った。

代表決定戦は松本泰志(広島)、針谷岳晃(磐田)を擁した3年前も相見えたジェフユナイテッド市原・千葉U-18との対戦。前回はロングボール攻勢に苦しみながらも0で耐え、針谷のフリーキックなどでチャンスを作ったが、延長戦終了間際に決められて昇格を阻まれた相手だ。

藤島監督は「3年前にやられてしまったのもあるし、朝岡(隆三)さんの存在もある。(※市立船橋から今季ジェフ千葉U-18監督に就任。今年の日本高校選抜では指揮官、コーチとして共闘)。良い準備をしてやれればと思います」と、次戦の大一番に向けて気持ちを引き締めた。

日々成長するFWが2ゴール1アシスト! 小見洋太は自分のゴールでプリンス昇格を「掴み取る」

選手権予選の衝撃から一月。本戦前の大事な舞台でFW小見洋太が再び成長した姿を見せた。

「今日は本当に身体も軽かった」という中で前半10分、「風で(牧之瀬の)キックが伸びた。もうゴールが見えたので振り切りました」とボールの落ち際を右足で叩きネットを揺らした。

そしてさらなる進化を示したのがその後のプレー。裏抜けを警戒する相手に対し、今度は足元で受けてポストプレーで撹乱。2列目の積極的なシュートを引き出した。紫藤のゴールの場面ではひとつ持ち出し相手守備3枚を引きつけ、「タイミングをずらした」パスでお膳立て。指揮官も評価する乾いたスポンジのような吸収力で、この短期間でも大きな成長を感じさせた。

また、最も満足度の高いプレーに挙げたのが自身の2点目だ。「タイミングがすごく良くて、動き出しでもうまく外せた。FWらしいゴールになったと思います」。大平の横パスに半身の状態から鋭くターンして左足でネットを揺らした。「今日の試合は1点1点が大事になる試合だと思っていて、そこは監督からも試合前に言われていたので決められて良かったです」。前半最後に1点を返され、まだわからないといった空気感の中で試合を決めるゴールとなった。

昨年の昇格戦はベンチから見守った。「先輩たちが本当に悔しそうで。自分たちがその悔しさを晴らしたいです」と先輩に代わりリベンジを誓う。また現在2年生ということもあり、次戦は来季の自分たちの主戦場を決める試合でもある。「来年はプリンスでやりたいという強い想いがあるのでそこは掴み取りたい」と小見。自らのゴールで4年ぶりの昇格を決める構えだ。

石黒登(取材・文)

試合結果

水戸ホーリーホック 1-4 昌平

1(前半)2
0(後半)2