LAVIDAの至宝、MF山口豪太が全国で残した特大のインパクト。来年は中心となって日本一を

初優勝を狙った高円宮杯・決勝は1-4で敗戦。前半終盤から後半にかけてはLAVIDAらしいアタックも多く見られたものの、サガン鳥栖U-15の力強さに屈し、悲願の日本一は持ち越しとなった。そんな中で特大のインパクトを残した選手がいる。2年生10番のMF山口豪太だ。

1年時の高円宮杯にも出場した山口は、今年2年生ながらエースNo.10を背負って関東1部リーグ連覇に貢献。夏の全国大会出場は逃したが、8月の裏全国とでもいうべき「東日本インターシティトリムカップEast」では大会MVPにも選ばれ、過去には日本代表選手も多数輩出する「メニコンカップ2021日本クラブユースサッカー東西対抗戦」の出場権も獲得した有望株だ。

仕掛けて抜く、そしてまた仕掛けて抜く。まさにLAVIDAサッカーを体現する山口の武器はやはりドリブル。「相手が嫌がるようなどっちに行くかわからないようなドリブルを意識しています」と山口。「相手との間合いだったり、ドリブルする時の仕掛けの速さだったりは参考にしています」と日本代表MF三笘薫を参考としているというドリブラーは相手の脅威になっていた。

そして迎えた後半31分にはゴールでも魅せる。同じ2年生コンビのMF長璃喜からの展開を右サイドで受けると、左足を一閃。ボールは綺麗な軌道を描いてゴールネットに突き刺さった。

「前半と後半1本ずつニアでキーパーにキャッチされたので、1回ファーを狙って力を抜いて蹴ってみたら一昨日のゴールみたいに同じように入ったので、うまくいったという感じです」。準決勝の鹿島アントラーズつくばJY戦でも同じような軌道でチームの3点目をゲットしていた。息を呑むようなビューティフルゴールに、声を出せないスタジアムでも感嘆の声が漏れ出た。

村松明人監督も「2年生とは思えないプレーもしていて、あいつはやっぱり特別な選手ではある。どんどんトライしてもらいたいとは思っています。やっぱり山口の良さを消したくないし、どんどんミスしてもチャレンジさせたいと思います」と、2年生10番に信頼を示す。

全国の舞台でもゴラッソ2つを含む特大のインパクトを残した山口だが、「でもやっぱり5試合あって、その中で2得点しか取れていないというのはやっぱり問題。もっとチームを助けられる選手にならないといけない」と反省も口に。村松監督も「やっぱりドリブラーって点とかを取れる選手が初めてドリブラーとして評価されると思う。そういう意味でもっともっと成長してもらいたいなと思います」と話していたが、山口自身もそこは課題に感じているようで「自分は左利きで、一応右足も蹴れるんですけど、やっぱり遠くからでも決められるようなシュートを打っていったり、最後まで剥がしてキーパーと1対1の場面でもしっかり決めきったり、そういう点を増やしていきたいです」と得点も取れる真の意味での『ドリブラー』に一皮剥けることを誓う。

そして来年こそは悲願の日本一へ―。「去年はベスト8で敗退して、今年は決勝で準優勝という結果で終わってしまい、悔しい想いを経験している。来年こそは自分がたくさん点を取ってチームを救って、日本一に導けるようにしていきたいです」。今年西が丘で特大のインパクトを残したMFは来年再びこの舞台でさらに大きなインパクトを残し、今度こそチームを日本一に導く。

石黒登(取材・文)