全国控える西武台に頼もしい選手が復帰! DF長谷川智紀は攻守でチームに安心感をもたらす
選手権を控えるチームに、頼もしい選手が復帰した。西武台はDF長谷川智紀(2年)が関東大会予選以来となるスタメン出場。延長戦、PK戦まで含めフル出場し、チームの勝利に貢献した。
長谷川は関東予選で右のCBとして出場し、チームの6年ぶりVに貢献。しかし、当時から左ひざの故障を抱えており、万全の形での復帰を目指して手術を決断する。7月の中旬に手術を行い、そこから約2か月間、筋トレなどを行いながらリハビリ。徐々に徐々に身体を作ってきた。
選手権予選も準備はしていたものの、試合経験の不足などもありベンチに。決勝の延長戦で肩を外したDF河合陸玖(2年)に代わり途中出場したが、不完全燃焼というところもあっただろう。
そんな中での約7か月ぶりの完全復帰。長谷川は「楽しかったですね。怪我期間もずっと出たかったので、やっとだなと」と振り返る。背番号4はそつのないプレーでDF武笠隼季(3年)とともにディフェンスラインに安定をもたらし、武器のヘディングでも攻守両面で迫力を見せた。
また、守屋保監督が評価するのが組み立ての部分。「視野の広さとキック精度の高さがある。攻撃のリズムを下でも作ってくれるので、原田(蓮斗)や武笠、ボランチが彼に簡単に返しますよね。前からプレスに来られても安心出来る。DFラインでボールを握っている時にちょっといままで不安があったりしたんですけど、長谷川が1枚入ることによって攻撃の時に安心感がある」。
長谷川も「自分がボールを持った時は走ってくれと言っていて、そこはひとつ武器なのかなと思います」と自負する。指揮官は風の中でバックパスが多かったことを危惧していたというものの、しっかりと処理しつつ、相手の背後に配球。リハビリ期間中も「練習をしっかりと見て、先生がどんなことを求めているのか、自分が復帰した時にどういうプレーをしたらいいのかというのを考えるようにしていた」というように、求められたプレーをしっかりとピッチで体現した。
次戦、関東第一に勝てばプリンス関東1部参入が決まるが、「そこに向けてしっかり練習して、合わせて、あと1試合全力で戦いたい」と意気込み。そして選手権に向けては「選手権はずっと憧れていた場所。予選もほとんど出られていないですし、いままで高校に入ってから全国のために練習してきたので、しっかり自分の持ち味を出して、チームとしても勝ちたい」と語った。
今年は故障からの手術、リハビリでシーズンのほとんどを棒に振った分、最後のプリンス参入戦、そして選手権本番でチームを助ける―。選手権を控えるチームに、頼もしい選手が復帰した。
石黒登(取材・文)