結果を求め続けた10番がV導く決勝点!花咲徳栄MF滝沢美結が見せたエースとしての矜持

結果を求め続けたエースが勝負を決めたー。花咲徳栄の10番、MF滝沢美結(3年)は南稜とのファイナルで値千金の決勝ゴールを決めて、チームを2年ぶりとなる県タイトルに導いた。

前半はボールを持ちながらも思うようにプレーが出来なかったという滝沢だが、徐々にリズムを作れるようになると試合が動いたのは延長前半1分。MF正木佑奈(1年)の横パスをエリア右で受けると「味方が呼んでいたんですけど、そこはもう自分が」と、自ら行くことを選択する。

ボディーフェイクでディフェンスをずらすと、そのまま左足を一閃。「もう絶対に決めるという強い気持ちで」打ち込んだシュートがニアサイドを打ち抜き、これが決勝点。「もう本当に嬉しかったですね」(滝沢)。末貴光監督も「今日はエースの自覚が最後の最後に出た。90%ダメでも最後のところで決めれば、これはやっぱりエースの証なのかなと思う。そういった意味ではしっかり仕事が出来たんじゃないかなと思います」と、勝負をわける1点を決めたエースを労った。

今大会は個人としても結果を求めた大会でもあった。花咲徳栄にとって初戦となった3回戦の後には「たくさん点を取ってチームを勝たせたい」とその想いを語っていた。準決勝の本庄第一戦では1-0で迎えた終盤に左サイドから難易度の高いシュートを突き刺して勝負を決めたが、「いくつかシュートを打った中で決めきれなかった」と反省。決勝は「まず自分が1本、先制点を決められるように、積極的にシュートを打って、強い気持ちで臨んでいきたい」と話していた。

そんな中で決めた今大会初の先制弾。「ちょっと感触が掴めたかなと。満足はしていないですけど、ちょっと自信になった1点だったなと思います」と滝沢自身にとっても大きな点となった。

関東大会は「まずはハードワークというところで守備の意識もしっかりと持って、しっかり3年生らしく、下級生も引っ張っていける強い気持ちを持って、頑張っていきたいと思います」「徳栄の『こころひとつに』をモットーに、泥臭く、粘り強く戦っていきたいと思います」と意気込み。そのうえで個人としては今大会同様、結果と同時に内容も求め、「やりきる」ことを掲げる。

まだまだ満足はしていない。だからこそもっとレベルアップ出来る。今回はその「良いきっかけ」を掴む大会となった。関東大会でも結果と内容でチームを牽引し、3年ぶりの全国大会へ導く。

石黒登(取材・文)