決勝の舞台でミッションを完遂。技巧派揃いの中盤を封殺したMF浅倉孜音が陰のMVP

決勝の舞台でミッションを完遂。中盤でボールを回収し続けたMF浅倉孜音が陰のMVPだ。

「相手の7と10がキーマンだった。そこを中盤でつぶす。中盤でつけられて前向きにされると結構きついので、その一個前のパスコースとかを読んで早めに取ることを意識しました」。

相手のキーマンへの配球を未然に防ぐことをミッションとし「全部の相手ボールを回収する」ことを意識していたという浅倉は序盤から中盤で門番のようにセカンドボールを回収し後方への侵入を許さず。また相手についたボールに対してもしっかりと身体を寄せて前を向いてのプレーはさせないなど、技巧派揃いの南浦和に対し、60分間にわたり守備のタスクを完遂した。浅倉については滝井友和監督も「あれだけボールを消して、ボールを奪ってくれる」と信頼を置く。

「南浦和とは昔からやっていて昔はそこでやられていたけど、やっぱり意識して対応して、いままでの練習の成果が出せたと思います」と浅倉。敗戦をバネに大きく成長した姿が決勝で実った。

昨年を知る数少ない2年生MFは「この優勝にあまり浮かれずに、練習も気を引き締めて、夏の全国に行けるように調整していきたい」と意気込み。キャプテンのDF原田空虎らともにチームをまとめつつ、さらに自らも一段も二段もレベルアップして、来夏の全国大会に向かっていく。

石黒登(取材・文)