唯一の5年生・村知空翔が足に吸い付くスラロームドリブルから先制弾。常に1学年上でプレーしてきた江南南期待の選手
チームに流れを持ってくることになる先制点をもたらしたのは唯一の5年生プレーヤーだ。
村知空翔は後半6分、エリア内で味方のシュートのこぼれを拾うと「間が開いていたので」とドリブルを開始。間と言っても人ひとりが通れるかといった狭いエリアだったが、そこを足に吸い付くようなスラロームドリブルで突っ切ると、最後はスライディングのようになりながら右足で突き刺し、これが決勝点に。「自分のゴールで勝てたので、とにかく嬉しいです」と喜んだ。
足下の技術とドリブルには自信がある。低学年の頃から常に1学年上に帯同してプレー。村知について飯塚正規コーチは「ボールタッチの柔らかさがある。スピードも遅くはないんですけど、決してスピードに頼ることなく、タイミングも良い」と評価。箱田航大主将は「5年だけどドリブルもうまくて、チームに欠かせない存在です」と語る。また、後半はもうひとつの特徴である視野の広さも発揮。真ん中で受けつつ機を見て散らして、チームのアタックを引き出した。
そんな村知の憧れのプレーヤーは、かつてバルセロナなどで活躍した元ブラジル代表MFロナウジーニョだ。「周りも見れて、ボールを見なくてもプレーできてかっこいいなと思います」。
全国大会に向けては「自分が活躍して、いっぱいゴールも取って、どこのチームにも負けないで優勝したいです」と意気込み。常に1学年上でプレーしてきた江南南期待の5年生ドリブラーは、得意なドリブルとロナウジーニョのような意外性のあるプレーでチームを日本一に導く。
石黒登(取材・文)