埼玉サッカー通信的 令和2年新人体育大会 優秀選手総評


GK相澤恵太(さいたま尾間木)
草加戦はPK戦に及んだ中で「一番気持ちが強い」GKがチームを救った。1本目をセーブすると、4本目は自分の得意な右に飛んでストップし、仲間たちの祝福の和に飛び込んだ。「負けず嫌い」だという守護神は「声」も自慢でどんな状況でもチームに良い声掛けができる選手。


GK山邊蒼(さいたま土合)
伊奈小針とのPK戦は山邊が「しっかり足を残して止めることができた」と2本目、7本目をセーブして勝負を決めた。「日々専門的な技術を教えていただけるのはすごく大きい」と埼玉教員クラブ時代に日本リーグでプレーした牧野監督から技術を教わりながら日々成長中だ。


GK水野真之介(草加)
3回戦では尾間木の強力攻撃陣に対し、守備範囲の広さを生かして前後半と「0」に抑えた。


DF原田空虎(埼玉栄)
個々人よりも「埼玉栄というチーム」を見て欲しいと語るチームプレーヤー。今大会はキャプテンとして1年生が半分を占める若いチームを引っ張った。元中盤の選手らしくキックも武器で1回戦ではコーナーキックで直接、準決勝ではミドルシュートでゴールも記録している。


DF馬場修斗(さいたま尾間木)

 


DF谷川碧斗(上里)
もともと前線の選手で3年生の代ではFWを務めたが、未経験者が多い自分たちの代でCBにコンバート。後ろから堅守でチームを牽引し、近年壁となっていたベスト16を突破に貢献した。「戦いたい」と話していた南浦和戦は敗れたが、この経験を持ち帰って学総に繋げていく。


MF嶋家礼人(さいたま大原)

 


MF渡邉佑太(さいたま大原)
その後優勝した埼玉栄を苦しめた。嶋家はアタックの起点に、渡邉もゲームメイクで存在感。

MF菅野煌太郎(上尾東)

 


MF浅倉孜音(埼玉栄)
決勝では相手の中盤の起点をつぶす、またそれに繋がる一個前のパスコースを読んでボールを刈り取るといミッションを見事に完遂。中盤以降にボールをほとんど運ばせなかった。また、武器としている「攻守の切り替えの部分」でも見せ、後半は2つのチャンスの起点となった。


MF御武内龍吾(越谷千間台)

 


MF小倉璃翔(東松山松山)

 


MF石塚真士(東松山松山)
174cmの大型ボランチは準々決勝の埼玉栄戦でボールを奪ってからの展開など、カウンターで存在感を発揮。好配球で俊足MF小倉を走らせ、一時は1点差と迫るゴールをアシストした。

MF関根大地(さいたま日進)

MF塚田絢介(熊谷富士見)

 


MF中村拓磨(さいたま尾間木)
尾間木のキャプテンは準々決勝の植竹戦で中盤の要としてチームにバランスをもたらす活躍。


MF畑乙樹(さいたま南浦和)
升掛とともに今年のWエースのひとり。トーナメントの始めはボールを触るために必要以上に動きすぎてしまい、フィニッシュの部分でゴール前にいられなかったりとその良さを十分に発揮できてはいなかったが、左サイドとなり動きが整理されるとさらに怖さを見せるように。

MF升掛壮梧(さいたま南浦和)
ゴール前の技術に加え、監督も「サッカーをよく知っている」と語るように「予測」が良く、セカンドの回収力もあり、また162cmとそこまで大きいわけではないがヘディングの強さもある。決勝を経て「後ろ向きの状態ですぐに前が向けるようにやっていきたい」と成長を誓う。


MF坂田隼翼(さいたま南浦和)
152cmとチームの中でも最小の部類だが、ボールを扱う技術が高く、昨年の10番・鳥羽瀬のようにゲームを作れる選手。新人戦では4-2-2-2の3列目、またトップとしてもプレーした。

MF石田匠(さいたま土合)

 


FW細沼大暉(さいたま大原)


FW櫻井悠琉(埼玉栄)
2年生に引っ張られながら良さを発揮中だ。FW登録ではあるが、今大会は主にサイドハーフとしてプレー。2回戦では決勝ゴールをアシストした。「セットプレーでのヘディングと1対1のディフェンスの強さ」が武器。決勝ではそのディフェンス的な良さも見せて優勝に貢献した。


FW金井裕世(埼玉栄)
前半はボランチ、後半はトップと、人数の少ないチームにあってピッチ内で戦術を変えることができる選手。決勝では相手のエース格を食い止めるために中で話し合ってポジションを変える好判断も。終盤には角度のない中で相手キーパーの股を抜く技ありゴールで試合を決めた。


FW加藤佳大(埼玉栄)
決勝の先制弾には駆け引きが詰まっていた。キーパーと1対1の場面、「相手が(自分が)左利きだとわかっていた」と左足で逆を取って交わし、右足で無人のゴールに落ち着いて流し込んだ。この試合では最多5本のシュート。今大会を通して「得点への貪欲さ」が増したという。


FW河原塚悠太(さいたま植竹)
植竹にとって3回戦が初戦。固さもあった中で2得点でゲームを決めたのは10番の河原塚だ。2ゴール目は「誰も見ていない裏を突いて、スピードではなく足下で交わしてシュートしたり、巧みなプレーを出したい」という特徴を発揮。剥がすプレーはメッシを参考としているそう。


FW関賢人(さいたま南浦和)
技巧派揃いのチームで前線で身体を張れる選手。今大会でもガッツ溢れるプレーを見せた。


FW坂本勇希(さいたま南浦和)
今大会は2回戦から4試合連続ゴール(7得点)を記録。準々決勝の土合戦では終了間際に咄嗟の機転で「肩」で決めて劇的勝利の立役者に、準決勝でも追加点がなかなか奪えなかった中で決めた。昨年のエースFW髙橋からは「納豆ご飯を食べた方が良い」と教わり毎日実践中。


FW小林大悟(伊奈小針)
3回戦敗退も印象に残った選手の一人。テクニック、前への推進力を併せ持つ楽しみなFWだ。

 

石黒登(取材・文)