決勝で2得点!鹿島内定MF須藤直輝も認める “次期10番候補”。平原隆暉は独力でも点を取れるMFに
決勝の舞台で2ゴールの活躍!昌平期待の2年生MFが全国決めの大一番で輝きを放った
MF平原隆暉は鹿島内定のMF須藤直輝が「次期10番候補として見ている」と話す期待のプレーヤー。また、藤島崇之監督は「同時期の(小川)優介と同じくらいのレベルを持っている」と、こちらも鹿島内定MF小川優介を引き合いに出す、技巧派集団・昌平随一のテクニシャンだ。
2年生まではなかなかトップに絡むことはなかった中で「自分の特徴を出す」ことでコロナ後に台頭。抜群のキープ力やボールを扱う技術でレギュラーポジションを掴んだ。「予測」のレベルも高く、準決勝の正智深谷戦では前半チームとして中盤でボールを拾えなかった中で指揮官が「ディフェンス的にも良いものがある」とボランチにポジションチェンジ。すると後半は中盤に安定感をもたらし、それによってサイドバックが上がれるようになり、逆転勝利に繋がった。
そしてもうひとつの特徴が「意外に(得点が)取れる」(藤島監督)ということ。最近は「ゴールに迫れていなかった」というが、この試合ではその「得点」というスキルを発揮してみせた。
「先制点を取れば絶対に流れは来ると思っていた」という平原は後半に入りゴールへの意識をアップ。開始2分で得点に結びつけた。FW小見洋太が左サイドに流れると「ファーに抜けてクロスに合わせるというのは意識していました」。小見のクロスをドンピシャのヘディングで決めて先制。このゴールで流れをたぐり寄せ、さらに2-0となった11分に小見のクロスのこぼれを「そこしかないなと思っていた」というニアに打ち込んで、勝利を大きく引き寄せた。
多くの選手と同じく下部組織のFC LAVIDAの出身。ゴールへの意識はその中学時代に養われたものだ。「中学の時にボランチよりも前はゴールを決められなきゃ上には上がれないぞというのは言われてきたので、その意識でやってきました」。それがいまのスタイルに繋がっている。
決勝の舞台で2ゴールと結果を残した平原だが、「ゴールを決められたのは嬉しいですけど、自分の仕掛けからとかではなかったので、これからはひとりでもゴールを決められたり、チャンスメイクしていきたい」。また「それ以外のセカンドだったり、守備の部分だったりで、正直満足できるプレーができなかった。そこはぶれずにやっていきたい」と課題についても語った。
普段はおとなしい性格だが、ひとたびピッチに入れば不敵さも見せる。今大会前にはJ2新潟内定FW小見洋太に「小見くんよりも点を取る」と話していたことを以前小見が教えてくれた。結果は小見の4ゴールに対し、平原が3ゴール。先輩越えまであと少しだった。
「自分はアタッカーというよりは中盤の選手。ゲームをコントロールしたり、ゴールに近づくためのビルドアップだったり、そういうプレーが自分の特徴だと思っている」と今後は3列目でのプレーも希望するが、「そこでもゴールに直結するようなアシストだったり、シュートだったり、そういうプレーを増やしていければいい」と「ゴール」という良さを生かしていくつもりだ。
もちろんまだまだ課題もあり、そこは本人も自覚しているが、これからが楽しみなMF。J入りする4人の先輩たちに刺激を受け、自らもプロを志している平原にとって選手権はアピールの場となる。もちろん「ゴール」という結果を残せれば、そこへの最短距離に繋がるかもしれない。
石黒登(取材・文)