[総体女子]昌平MF鈴木海音、ルーキーが初スタメンで2発!決勝では「ハットトリックを狙いたい」

この日が初スタメンだったルーキーが躍動した。昌平MF鈴木海音(1年)は初先発を勝ち取った南稜との準決勝で前半3分、16分と立て続けにゴールを奪ってチームの決勝進出に貢献した。

求められていたのはゴールへの出力の部分だ。森田光哉監督は「練習から調子が良かったので。点を取りに行くために力を使ってくれるかなと」といい、鈴木も「初スタメンだったんですけど、監督からもゴールのことを言われていて、とにかくゴールを狙おうと思っていました」と話す。

するとルーキーは監督の抜擢にいきなり応える。3分、MF勝山あゆみ(3年)の右クロスのこぼれをしっかり詰めて先制ゴール。16分にはDF福島沙羅メヘル(3年)の左CKがこぼれたところをアイデア溢れる右足ヒールで流し込んでみせた。昨年昌平は南稜の守備を崩し切れず敗れていただけに、この早々の2ゴールがチームに良い流れをもたらしたのは言うまでもない。

鈴木も「ゴールが取れて良かった」と笑顔。一方で「2ゴールは良かったんですけど、自分的にはハットトリックを狙いたかったです」。19分にはゴールエリア前で切り返しでDFを外し、右足を振り抜いたシュートが惜しくもポストを直撃。これが決まっていればハットトリックだっただけに、もう1点取りたかったというのは本音だ。それでもこの日は前半のみの出場だった中でエースストライカーの松井美優(3年)と並ぶ最多4本のシュートを放って攻撃陣を牽引した。

指揮官も「とにかくうまい」と話すMFは「もっとドリブルとかで相手を引き寄せてシュートを打てるのが長所」。この日も随所でセンスを感じさせるプレーを見せたが、「今日はあんまりボールが収まらなかったですし、ボールを運ぶこともあまりできなかったので、次の試合では生かしたいなと思います」。憧れの日本代表MF長谷川唯のように「ボールを失わない」選手が理想だ。

初スタメンを自信に変えるルーキーは「決勝はまたスタメンで、今日ハットトリックを取れなかったので、ハットトリックを狙いたいと思います」と意気込み。中盤でボールを失わない技術を発揮しながら、高校で迎える最初のファイナル、そしてスタジアムでも貪欲にゴールを目指す。

石黒登(取材・文)