浦和東が2年連続のスタジアムへあと1勝!10番MF田中涼賀「『浦東魂』を見せて、全員で勝ちたい」

もう一度この応援をスタジアムで――。令和6年度全国高校総体サッカー大会埼玉県大会の3回戦が8日に行われ、ベスト8が決まった。浦和東は関東大会予選準優勝の成徳深谷と対戦。攻守で粘り強く戦いながら、80分のFW福島蒼介(3年)の劇的ヘッドで1-0で勝利を収めた。

今年10番を背負うMF田中涼賀(3年)は「コートの中にいる人だけが取ったとかじゃなくて、ベンチとか、応援団のみんなで、全員で取った得点だと思う。チームとして低迷していた時期もあったんですけど、それがいま上がってきて、全員が嬉しかったと思います」と笑顔を見せた。

「今日はやっぱり、ひとりひとりがボールを触る回数は多分少ないって、全員で想定していたので、空中戦とか、セカンドボールは絶対に相手よりも先に触ること、相手のペナルティエリアの角を狙ってボールを蹴って、相手のコートを押し込んでプレーすること。そのうえで跳ね返されても、またヘディングで押し込むっていうのも想定していたので、それができたかなと思います」

その中で田中も得意のドリブルでドライブし、エリア内に切り込む動き。「やっぱり自分は持った時の方が得意なので、持った時に侵入して、セットプレー1本でも、ゴールにつながるパスでも、そういうのをひとつひとつ増やしていってゴールに迫れたかなと思います」と振り返る。

後半の立ち上がりは押し込まれる時間が続いたが、そこから持ち直せたのは「やっぱりひとつは応援団のおかげ」と全力で勝利を信じて、声を送り続けてくれた仲間たちに感謝する。また、関東大会予選の正智深谷戦はクリアミスから失点した中で、この日はDF石﨑陽太郎(3年)を中心に跳ね返し続け、中盤のMF林直孝(3年)、MF新井孝平(3年)がセカンドボールを回収。「正智戦からひとりひとりが練習して、ひとりひとりが成長した証だと思います」と話した。

もう一度この応援をスタジアムで響かせるまで、あと1勝だ。浦和東は昨年の関東予選でベスト4入りし、スタジアムで全校応援を実施。2年生では唯一スタメン出場した田中は「自分としてはやっぱりすごくあの経験は大きくて。今日も周りは、チームメイトはみんな緊張していたけど、自分は去年の経験もあって、緊張はしていたけど、やっぱり落ち着いて1個ずつ自分がやらないとなと思っていたので、それができたかなと思います」と自身を成長させてくれた経験を話す。

「全校応援っていうのはすごく楽しくて、プレッシャーもかかることだけど、やっぱり自分たちのモチベーションも上がって、ひとりひとりがまた良いプレーができると思うので、また勝って全校応援にしたい。(今日の勝利は)嬉しいですけど、明日勝たないと本当に今日の勝利は何も意味はないと思うので、自分の特長を生かして、応援団とか周りの力も借りながら、やっぱりウラトンとして、ウラトンらしさを出して、『浦東魂』を見せて、全員で勝ちたいと思います」

その中で「やっぱりゴールを取りたいですね」。今大会は初戦の花咲徳栄戦で決勝アシストを決めたものの得点はないだけに、エースはチームを2年連続のスタジアムに導く大会初弾を狙う。

石黒登(取材・文)