朝鮮中期待の代が3位に! 今夏の学総では昨年のさらにその先へ/2023さいたま市冬季大会

期待の代がさいたま市で躍進。埼玉朝鮮中は最終日、PK戦の末に東浦和中を下し3位に入った。

朝鮮は前半19分に左MFリャン・サンヒョン(2年)がカットインから放ったシュートは惜しくも枠を外れたが、その1分後、今度は右サイドでボールを持ったMFチョン・チャンピョン(2年)が内に切り込み、左足を一閃。ニア隅を突いたシュートがネットに突き刺さり先制した。

一方、東浦和も昨年兄の大翔とともに全中にも出場したFW安藤優翔らが中心となって後半は押し返す。そして12分、MF江幡心穏のFKからFW小泉璃空が滑り込んで同点に追いついた。

5分ハーフの延長戦では決着はつかず勝負の行方はPK戦へ。互いに4人目までが成功させた中で先攻の朝鮮はキン・テイン(2年)が決めると、最後はGKリャン・セイ(2年)が左に跳んでセーブ。PKスコア5-4で勝利した朝鮮が強豪揃いのさいたま市で3位と大きく躍進した。

朝鮮は昨夏予選を勝ち上がり、県大会に初出場。県でもひとつ勝って、ベスト16入りを果たした。新人戦は欠場を余儀なくされたが、今年は昨年の経験値を持った選手が多く残る期待の代だ。

先制ゴールを入れたチョン・チャンピョンと殊勲のPKストップを決めたリャン・セイは県南トレセンにも選ばれる選手。特にエースナンバー10を背負うチョン・チャンピョンは今夏も注目のひとりとなりそうだ。ゲームメイクはもちろん、自らも決定的な仕事をできる選手で、熱いハートも魅力。持っている能力は高いだけに、郭峻宇監督も「もっとできる」とさらに高いレベルを求める。切れ味鋭い突破からのフィニッシュが魅力のリャン・サンヒョンも興味深い選手だ。

昨年は前に特徴を持った選手がいたため、縦に速いサッカーがメインだったが、今年は「純粋にいま勝つサッカーではなく、今後サッカーをしていくにあたって、もっといろんなパターンとか、いろんなことを対応できるように」下から丁寧に繋ぎながら、連動して動いていく形にフォーカス。今大会でもしっかりと繋ぎながら、前線では3人目の動きとインスピレーションを合わせた攻撃を見せていた。昨年2月には人工芝グラウンドが完成したことも「非常に大きい」という。

今夏の学総では昨年のその先へ。郭監督は「さいたま市で見たらどれだけ尾間木さんだったり、南浦和さんに近づけるか、追い越せるかというところを目標にしていますし、それができればおのずと県でもトップを狙えるし、狙うつもり。そうなると関東、全国といういままで夢だったものが急に近くなったというか。だからもう余計に力が入って、熱が入ってできている」と話す。

チョン・チャンピョンは「自分たちは中学最後の1年。1日1日を大事にして、大きい大会で見せつけられるようなチームを作るために、練習からその意識を常に切らさず、高い意識を持ちながら、この1年間を最大限で発揮していきたい。学総を常に意識しながら、自分たちは関東大会も目指しながら、高いレベルでどんどんやっていけるチームを作っていきたい」と力を込めた。

石黒登(取材・文)

試合結果

埼玉朝鮮 1(5PK4)1 東浦和
1(前半)0
0(後半)1
0(延前)0
0(延後)0
5(PK)4