大谷場中は練習を積んできた「繋ぐ」スタイルを見せて7位に/2023さいたま市冬季大会

新人戦から成長した姿を見せた。大谷場中と埼玉栄中の7位決定戦は3-2で大谷場が制した。

大谷場は前半22分、FW八木橋良空のラストパスを受けたFW星洋佑が角度のないところから右足で決めて先制。さらにその7分後には相手のポゼッションを八木下がカットし、スペースにスルーパス。これに抜け出した星がGKとの1対1を沈めてリードを2点に広げ、折り返した。

後半は1点差と迫られ、押し込まれる場面もあったが、最後の部分でしっかりと球際で寄せ、ゴールを隠す守備を実戦。難しい時間帯を耐えると、28分にFKからのこぼれ球をMF斉藤秀叶が押し込んで3点目とした。終盤に1点を返されたが、3-2で勝利。7位で今大会を終えた。

一方、埼玉栄はFW平瀬和真が2ゴールと気を吐いたが、1点及ばず8位でフィニッシュした。

埼玉栄とは新人戦市予選の3位決定戦でも対戦。この時は大谷場が1-0で勝利していた。当時は3年生の活動が残っていたこともあり、1、2年生による新チームは新人戦がぶっつけ本番のような形に。その中で速さという特徴を持つ星を生かし、長いボールを使う戦術を取っていた。

それでも新人戦後は「ここから先はそれだけじゃ勝ち上がっていけない。ちゃんと中盤でボールを繋いで、最後は速い子を生かすけど、そこまでボール運ぼうとことを続けてきたつもりです」と井土大己監督が言うように繋ぐサッカーにチャレンジ。昨年10月からグラウンドが改装工事に入ったことにより、この間は近所の公園など、なかなか大きいスペースでやることは難しかったというが、だからこそスモールエリアの練習を頑張ってきた。この日もしっかりと味方にボールをつけながらビルドアップ。中盤でボールを繋ぎつつ取った1点目は練習の成果が出た形だ。

スピード豊かで足下で受けても打開できる星が攻撃の軸。一方で今大会は「このチームの中では攻守において一番アグレッシブで存在感がある子。守備の強度が高いですし、すごく明るい子で彼がいるとチームが明るく、前向きになる」(監督)という守備の柱、ボランチの今井千登主将を右足のすねの骨折で欠く中でクリーンシートが一度もなかったということは課題として出た。

グラウンドの改修工事も今月で終了。来月からは広いグラウンドでより実戦に近い形の練習やダイレクトプレーなどにも磨きをかけながら夏の学総に向かう。星は「やっぱり冬季大会の記録よりも上に行って、県大会で勝ちたい。目標は関東大会に行きたい」と意気込みを語った。まずは市予選を7位よりも上の成績で終えること。そして県大会を勝ち上がり、関東大会を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

埼玉栄 2-3 大谷場
0(前半)1
5(後半)2