注目の1年生が脅威となり続け2G1A 昌平FW松井美優「関東リーグでも得点を意識したい」

注目の1年生FWが相手の脅威となり続けた。昌平FW松井美優は「JFAエリートプログラム女子U-13」選出歴も持つ有力選手。「対人の強さ、スピードを生かしていきたい」と話す新星FWは前線で起点となりながら自らも2ゴール、1アシストを決めて、チームを初優勝に導いた。

「今日は本当にチームが勝つために、自分に求めらているプレーをしようと思っていて、相手のディフェンスラインを引っ張ることとか、どんどん裏に抜け出して、味方が困った時に必ず自分がマーカーになれるようにするのと、あとは点を取ってチームを勝たせようと思っていました」

試合開始から推進力のあるドリブルや裏抜けで攻撃を牽引すると前半17分、左サイドでディフェンスとの1対1を果敢に仕掛けクロスからMF金澤道(2年)の先制ゴールをアシストした。

さらに35分にはゴール前の狭いエリアでボールを受けると、「そこでターンできたことで相手にとって脅威になると思う」。シュートまではいけなかったものの、結果的に相手のファールを誘いペナルティキックを獲得。このボールを自らスポットに置くと、右足で冷静に蹴り込んだ。

また、ゴール外の部分でも対人の強さを生かし、ほとんどすべてのボールをきっちりと収めたことも大きかった。「前回の試合では背負って、どちらに転がるかわからないボールで自分が前に前に出られてしまって失う場面が多かったので、そこはやっぱり注意もされましたし、そこはちゃんとボールに行こう、まずはボールを守ろうっていうことをすごく意識してできた」と話す。

終盤の後半33分には「左サイドの紗羅からすごい良いボールが何回も入っていたのであとは自分が中に入って、あとはスペースだけだったので、ボールに頭が出れば入るなと思っていた」。左SBの福島紗羅メヘル(1年)のクロスにドンピシャのヘディングで合わせ、ダメを押した。

「まだまだのところは正直あるんですけど、でも結果的に2得点取れて、1アシストできたのは、いままでやってきた成果だと思います」。昨秋の決勝は怪我で欠場し「すごく悔しい想いをした」という1年生は「みんなで繋げてきた勝利を優勝という形で終われて本当に嬉しい」と喜んだ。

松井は浦和レッズレディースジュニアユース時代に「JFAエリートプログラム女子U-13」にも選出された有望株。中2から羽生南中に転籍したが、男子たちの中でも存在感を放っていた。中3時には県内外の強豪チームから声がかかった中で「練習の時にすごい熱量があった。あとはやっぱり昌平のサッカーが面白いなと思った」と昌平へ進学。中学ではボランチ、サイドバックを務めたが、高校では「練習会で初めてやらせてもらって合っているなと感じた」FWに挑戦中だ。

身体の強さに加え、「裏に抜け出したらもうそこからちぎれるところとか、あとはキレの速さは武器にしたいと思っています」というスピードは持ち味。現在はそういった手札たちを新しいポジションで表現すべく、FWとしての動きを勉強中だ。森田光哉監督は「今日は良かったですね」としつつ、「常に怖い存在じゃないといけない」と話すのは高いポテンシャルあってのものだ。

その高いポテンシャルを開花させるためにも、今季主戦場とする関東2部リーグでの戦いは大きな経験値となる。「関東リーグは本当に強いチームが入っていると思うんですけど、その中でも1部に昇格できるように、得点のところを意識してやっていきたい」「対人では絶対に負けないような選手になれるように、日々の練習を積み重ねていきたいと思います」。強豪のディフェンダーたちとマッチアップする中で大きく成長し、より相手にとって脅威になる選手になる。

石黒登(取材・文)