ゲームの流れ引き寄せたビッグセーブ!松山女子GK麻生未来は「五輪守護神に似てる」で奮起

試合の勝敗を分けたビッグセーブ。松山女子GK麻生未来(3年)の好守が流れを呼び込んだ。

松山女子は序盤から押し込みながらも相手の守りを崩せず、得点に繋げることが出来ないでいた。すると前半29分、逆襲からピンチを迎える。カウンターから抜け出した相手FWがエリア前でフリーに。松山女子にとっては絶体絶命の場面だったが、ここで立ちふさがったのが麻生だ。

「最初は出るかどうか迷ったんですけど、でもここで出ないとシュートコースが広がってしまう。出たうえで、それで決められちゃったら、もうしょうがないという気持ちで出ました」。

思い切りよく飛び出して相手との間合いを詰めると、しっかりとシュートを身体に当ててブロックし、DF池田栞奈(3年)と喜びを分かち合った。結果的に5-1と差は開いたが、川口市立とのゲームはいつも僅差のゲーム。逆にここで先制点を奪われていたら流れを持っていかれていた可能性もあるだけに、江口洋監督も「あの1本が大きかった」と勝利のキーに挙げた。

「相手が攻めてきても、出るタイミングできちんと出ることが出来るところ」がストロングポイント。キーパー転向は高2からで高1の時はフィールドをやっていたが、そもそも小学校、中学校時代はバレーボール出身。「ボールを怖がらない」という姿勢はゴールキーパー向きだった。

この夏は五輪の男子サッカーなどを見ていた中で本人にとって「ちょっと嬉しい」エピソードも。「谷(晃生)選手に似ているプレースタイルがあるとマネージャーに言われて嬉しくなっちゃって(笑)。モチベーションも上がりました」。日本代表の最後尾を支え、ニュージーランド戦ではPK戦でも活躍、4強進出に大きく貢献した守護神に似ていると言われたことに奮起し、力に変えていた。

「次も勝って決勝に行けるように、ちゃんとゴールを守りたいです」と麻生。準決勝でも勝利を引き寄せるようなセーブを決めて、五輪代表守護神のようにチームを後ろから勇気づける。

石黒登(取材・文)