「困った時の河合」。西武台DF河合陸玖は主力CBの穴を埋めつつ、後半に決勝ゴール! 憧れの先輩CBを隣に感じながら成長中

まさに「困った時の河合」だ。今大会、怪我のDF長谷川智紀(2年)に代わりスタメンに入るDF河合陸玖(2年)は準々決勝の武蔵越生戦も開始からピッチへ。高さを生かした守備で穴をきっちりと埋めると、後半21分にはコーナーキックから決勝ゴールも記録した。

前述の通り西武台はレギュラーCBの長谷川に加え、2番手のDF横谷崇梧(2年)、3番手のDF松尾竜維(3年)も離脱中と苦しいCB事情。DF原田蓮斗(3年)を戻すことも出来るが、今年はその攻撃性を生かすために右SBで起用しており、出来れば右に残したいところ。そういった中で守屋保監督は「困った時は河合なんですよね」と河合への信頼を語る。

「話を聞いたり、バランスを取ったり、「河合こうしてくれ」と言った時に頑張ってくれる。もっともっとビルドアップの精度が高まれば非常に良いと思う。背が大きいわりには足が速い。その分時間を作れるのでディフェンスラインの信頼もあって、ファールも少ない」。

主戦場のS2リーグではCBのほか、ボランチや右SBもこなす。またオプションとして3バックになった時もバランスを取ることが出来る。「ある程度全部のプレーが60点から70点のプレーを出来る」(監督)貴重な計算の出来る選手であり、関東本大会1回戦の山梨学院戦、準決勝の明秀日立戦もスターティングメンバーに名を連ね、関東制覇にも貢献した。

自分が出場する時は「誰かの代わりとかではなく、自分が一番という気持ちでやっています」と責任感もある。武蔵越生戦では185cmの高さを生かした空中戦の強さを発揮しながら「裏への抜け出しが危険ということだったので、常にCB同士、4バックの中で裏へのケアとか、マークの確認をしっかり声をかけてやっていました」と先輩たちと声を掛け合いながらケア。失点シーンは「滑れば良かった」と反省したが、それ以外の場面ではしっかりと抑えた。

また、後半にはコーナーキックを最後にファーサイドで詰めて決勝ゴール。「こういう試合で点を取ることはあまりないので気持ちよかった。チームに貢献出来て嬉しい」と喜んだ。

憧れは現在コンビを組む1学年上のDF武笠隼季(3年)だ。「やっぱり隼季くんは自分の憧れみたいなところがあるので、追いつけるように頑張りたい。(憧れているのは)プレーの全部。(その中でも)隼季くんの守備力を身につけたいなと思います」。憧れの存在を隣に感じながらレベルアップを図る。その機会を増やすためにも、まずは決勝進出を掲げた。

石黒登(取材・文)