花咲徳栄GK長谷川実乃里、指揮官も認めた「ノーミス」プレー 大会期間で磨いた出足の速さで昌平の強力アタックを零封
花咲徳栄はスコアレスで迎えた延長戦でMF橋本琴音(3年)が決勝弾を奪うなど、3年生たちが活躍もあり、5年ぶりの埼玉3冠達成。末貴光監督は「3年生が結果を出したのは良かったと思います」としつつ、「ただMVPは長谷川ですかね」とこの日好守を続けた守護神を挙げた。
それもそのはずでGK長谷川実乃里(2年)は、この日昌平の強力アタックを防ぎ続ける出色のプレー。特に際立ったのが、「出足の速さ」だ。前半34分、相手のアーリークロスからの抜け出しを身体を張って防ぐと、後半26分にはやはり相手の決定的な場面に飛び出してブロックした。
指揮官も「やっぱり反応が早かったですね。2つ3つ行かれてもおかしくないようなところを本当に良い反応でこれを防いだなと。1歩目の反応が早かった。あとは躊躇なくキャッチングに行っていたのが良かったなと。(今日は)ミスがひとつもなかった」と話すノーミスプレーだった。
殊勲の長谷川は「自分でもびっくりしました」と笑う。「結構自分、来たら避ける癖があったんです。それで練習でキーパーコーチに「身体で行くことを意識して」と言われてそれを意識してやりました」。ディフェンスが裏を取られた場合、本当の意味で“最後の砦”となれるように福島巌GKコーチと二人三脚で大会期間中に取り組み始め、その成果が大一番で出た形となった。
ビルドアップや壁の立て方には課題が残ったと話すが、それでも警戒していたセットプレーも含め、昌平の強力アタックを0で防いでの結果に「この試合をやって結構自信がついたので、関東大会でも今日と同じくらい良いプレーをできるように頑張りたい」と自信を深めたようだ。
昨年の関東大会はあと1勝が届かず涙を呑んだ。「コーナーだったり、いらない失点が多かったので、そこを練習でちゃんとやって失点しないようにしたい。このチームで全国大会に行きたいとみんなが思っているので、相手がどこでもちゃんと2回勝って全国に行きたい」。1年次から主力を務める中で、中核の2年生となり、「自分も先輩として、やっぱり1年生とかにも積極的に声をかけてあげたい」と自覚も深める守護神が関東の舞台でも活躍し、チームを全国に導く。
石黒登(取材・文)