花咲徳栄GK長谷川実乃里 2度の1対1阻止、全国出場の父と練習したPKで「ヒーロー」に

「インターハイは自分のミスで負けてしまった。3年生の想いも背負って出ているので、絶対に勝ちたいと思っていました」と花咲徳栄GK長谷川実乃里(1年)はいう。5月の総体予選では決勝で連携ミスから失点。強い想いを持って臨んだ1年生守護神が奪還を狙う4強で輝いた。

まずは前半16分、相手の裏抜けに果敢に前に出て身体を張ってストップすると、後半20分にも再び1対1を阻止。どちらも決定的だったが、「自分は前に出てボールを止めるのが得意。相手がボールタッチして自分が飛び出せると思った瞬間にもうスライディングしています」と、思い切りの良さと広大な範囲をカバーできる身体能力を活用して、チームの危機を防いでみせる。

試合はスコアレスのままPK戦へ。1年生守護神にとっては緊張感のかかる場面ではあるが、仲間からもらった「ヒーローになって」という言葉で「ここは止めるしかないな」と心は決まった。

迎えた相手の2本目。「自分は右に飛ぶのが得意。自分なりに右に来させられるようにやった」とモーションなどで誘い込み、まず先にセーブし、プレッシャーをかける。その後、サドンデスに突入したが、落ち着いて臨むと相手のコースが甘くなった8本目をしっかりとストップ。後攻の味方が決めると、「ヒーロー」となった長谷川は駆け寄って来た仲間たちから祝福を浴びた。

「中学の時にPKなんて1本も止めたことがなくて。それで父と一緒にPKの練習とか結構やったりするので、それを今日出せたのかなと思います」。父は茨城県の強豪・古河一中で全国大会にも出場したGK。この日は応援に来ていた父の前でその日々を証明するビッグセーブを決めた。

好きな選手は「前に出てダイナミックなプレーをしたり、PKを止めているシーンを見て練習しています」という元日本代表GK川口能活氏。「これからも無失点で抑えていきたいというのもあるし、やっぱりインターハイで自分がミスして負けてしまったので、その反省を生かして関東、全国に行きたいと思います」。今度は自分のビッグセーブで先輩たちとともにタイトルを掲げる。

石黒登(取材・文)