花咲徳栄MF島田果林、磨いてきたミドルで決勝ゴール! 友の想いも背負ってファイナルへ

「この前みんなに助けられてしまったので、今度は自分が助けるんだという気持ちでいました」

準々決勝の南稜戦ではPK戦の3人目のキッカーとして登場した中で失敗。「それがすごく心に残っていて、1週間すごく朝練や普通の練習でシュートという課題を中心にやりました」という花咲徳栄MF島田果林(3年)が、その磨いてきたシュートでチームをファイナルへと導いた。

1-1で迎えた後半30分、中盤でボールを受けた島田は「自分にボールが入った時に必ず決めるという気持ちで、チームを助けたいという一心で足を振り抜きました」。右足を鋭くスイングすると、ボールは相手GKの頭上を越えてゴールネットに吸い込まれ、これが決勝弾となった。

「常に狙っている」というミドルは島田の武器のひとつ。3回戦でも同じような位置からゴールを決めていた。パワフルなシュートを放つタイプではないが、「ゴールに対する感覚は良い。うまくコースをついて、しっかり狙いどころに決めることができる」(監督)技術の高さがある。

去年の夏から中心に取り組んでいるというミドルシュートは「しっかりと振り抜く」ことを意識。
「すごく大好きなコーチが小学生の時にいて、そのコーチにたまにシュートを見てもらっています」と、小学校時代に師事したフットサルスクールのコーチにもアドバイスをもらいながら、末貴光監督、松本真季コーチに教わったことを自宅に帰った後、父と反復練習。その結果、ミドルでゴールを奪えるように。今大会は「恩返しという気持ちも持ってやっています」と話す。

また、今予選は同級生たちの想いも背負って臨む。中でも大会前に負傷離脱したFW塩崎ららについては「いつもエースとして助けてくれて、いまはビデオ撮りとかで頑張ってくれている。ほかの3年生たちはもちろんなんですけど、塩崎ららに対しては気持ちは一番強い」。悔しい気持ちを持っている中でも裏方としてチームを支えてくれる友のためにも、決勝も負けられない。

「率直に必ず勝つという気持ち。熱い気持ちはこのチーム全員が持っているので、3年生からまずは引っ張って、1、2年生と必ず、大好きなチームで優勝して、関東に臨みたいと思います」

「末先生、松本先生にもすごく感謝している。その気持ちをプレーで出したい」と話すMFはこれまで支えてもらった人たちへの感謝と仲間の想いも胸に、決勝でもどんどん振り抜いていく。

石黒登(取材・文)