「ずっと準備していた」主力CB離脱の穴を埋める 昌平DF今井大翔は開始2分弾&守備でも「0」に貢献

S1リーグスタートのCBが決勝点&守備でも主力DFが抜けた昌平のバックラインを埋めた。

武蔵越生との準決勝で昌平はU-17日本代表DF石川穂高(2年)が怪我でメンバー外に。それでもその穴を埋めたのがDF今井大翔(3年)だ。今井は今季S1チームでのスタートだったが、石川が抜けた際はプリンスリーグでもスタメンでプレー。「ずっと準備はしていた部分はあったので、やってやろうという気持ちはあった。後ろは絶対に「0」でという気持ちでいた」という。

試合は早々に動く。前半2分、FKの場面でMF荒井悠汰(3年)はスリッピーなピッチを利用してゴール前でワンバウンドするボールを選択。GKがファンブルしたボールを今井が詰めた。

「たまたまボールが来たのでそれを決めただけです」と謙虚に話したが、しっかりと最後までボールを詰める意識があったからこそ。ゴール後は「お前が取ったか」と言わんばかりに、仲間たちが次々と駆け寄って祝福。その喜び方からも今井の『愛されキャラ』ぶりが想像出来る。今井も「本当に嬉しかったですね。ベンチのみんなも名前を呼んでくれて嬉しかった」と目を細めた。

また、本職の守備でも「自分は周りを使って守備することを意識していて、自分ひとりじゃ守備は出来ないので、周りのみんなと協力して守備をすることを意識しています」というようにCBを組む津久井圭祐(3年)やGK上林真人(3年)と連携しながら危ないシーンは作らせず。また、FC LAVIDA時代に鍛え上げられた「運ぶ」プレーでも何度か良い運び出しを見せていた。

3回戦、準々決勝は石川が出ていただけに急遽の出場となったが、藤島崇之監督は「今日も(スタメンは全員)FC LAVIDA出身の選手たちだったので、そういった部分でも昔からの繋がりとか信頼はあるんじゃないですか。僕らももちろん信頼していますし、自信を持って送り出せる選手」と話す。上林も「穂高や圭祐、どっちが欠けても大翔がいれば大丈夫みたいな感じで、ほかにも良いCBがいて層は厚い。ゲームでもそんなに失点するというような場面はなくて、日ごろのトレーニングからセンター2枚の固さというのは目立ちますね」とCB陣への信頼を語る。

U-17日本高校選抜の津久井や石川といったレベルの高い選手たちには常に刺激をもらっている。「いつもどうやって追いつくか、というのを考えてプレーの参考にさせてもらっている。2人ともロングキックがうまいのでロングキックの部分もそうですし、1対1の対人の部分でもすべてで尊敬しています」とプレーのすべてをお手本にしながらトレーニングに打ち込んでいる。

決勝でも「出場機会があれば、やっぱり後ろは絶対に「0」で抑えたい」と無失点Vを掲げた。

石黒登(取材・文)