成徳深谷FW秋本光瑛、“深谷ダービー”でチームを勢いづける先制弾! J下部でプレーする同期の存在が刺激

「自分も負けていられない」。J下部に行ったかつての仲間たちに刺激を受けてー。成徳深谷FW秋本光瑛(2年)は正智深谷との“深谷ダービー”でチームを勢いづける先制弾を奪ってみせた。

「やっぱり深谷ダービーっていうことで、隣の学校ということで、気持ちの入り方というのはほかの試合に比べて特別だったし、相手は関東大会に行っているチーム。それでも自分たちの方がやれるというのを試合を通して見せられたのは、すごく良いゲームだったなと思っています」

互いのプライドをかけた“深谷ダービー”。気持ちの乗っていたという秋本は19分、MF松田陽瑠(3年)の右CKにニアでドンピシャのヘディングを合わせた。「やっぱりセットプレーは時間をかけているところでもあるし、自分たちの強み。チームとしてどこを狙うかというのを整理して、しっかり相手の前に入ることが出来た」。先制点は本人も待望の今大会初ゴールとなった。

また、「同じ2年生ということもあって、互いにいろいろ要求しながらやれる」というFW平井心瑛とのコンビで前線から献身的にボールを追い、相手にジャブを与え続けるなど守備面でも高い貢献度。精神、肉体ともにコンディションも上がってきており、身体のキレも良さそうだ。

秋本にとって刺激になっているというのが、J下部に進んだかつての同級生たちの存在だ。秋本は南浦和中の出身。同代は新人戦でチームに初のタイトルをもたらした。全中出場を狙った学校総体は新型コロナにより中止となり涙を呑んだが、それをバネに臨んだ「全日本U-15サッカー選手権大会県予選」では初の関東大会を決めた。中体連の関東出場は3年ぶりの快挙だった。

その代からはエースのFW高橋伸太朗が大宮アルディージャU18へ、守護神のGK嶋田晄樹が鹿島アントラーズユースと、中体連としては異例の2人のJアカデミー選手が誕生。「(刺激には)とってもなりますね。彼らが頑張っていると自分も負けていられないみたいなのはあります」。特に2トップを組んだ高橋とは現在でも連絡を取り合っているといい、「よく話しとかもするし、いろいろ聞いたりして、刺激をもらいながら、互いに頑張ってやっています」という。

「やっぱり南中の時はアルディージャに行った高橋がいて、彼がすごいひとりで打開出来ちゃったり、自分は正直、中で待っているみたいな感じだったんですけど、でも成徳に来てからやっぱりポストプレーのところだったり、周りを生かしながら自分も生かしていかないと得点って簡単に取れるものじゃないと思った。まだまだ自分も成長していかないとなと思っています」

南浦和中時代はザ・CFというタイプだったが、成徳深谷に来て、ポストプレーや背後への抜け出しやクロスの駆け引きなど、味方を生かし、自分も生きる術を学び、徐々にプレーの幅を広げている。かつての仲間たちに刺激を受けながら、成長して自分も高いステージへ駆け上がる。

石黒登(取材・文)