クマガヤ サッカースポーツクラブ
クマガヤ サッカースポーツクラブ
活動拠点 | 大里総合グラウンド、江南町営グラウンド、熊谷市スポーツ・文化村「くまぴあ」、利根川総合運動公園 大野サッカー場etc. |
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練習日 | 平日:火曜日、水曜日、木曜日18時半~21時 土日祝:試合、大会、練習(1日、半日) |
HPアドレス |
受け継がれる「松本イズム」とフィジカルトレーニング
―黎明期の頃の県北はどのような感じだったのでしょうか。
児玉とかそういう時代はありましたけど、昔は浦和、与野、川口の時代。俺が武南に行った頃はもうこっちは全然でした。ただ、松本ヨウ佑先生が大里吉見小学校の2クラスしかない子供たちで大里吉見サッカー少年団を立ち上げて、1982年の全国予選で準決勝まで行くんですよね。(ベスト4で敗れたFC浦和はこの年全国3位になった)
しばらくして大里が強くなって、先生が今度は江南南小に赴任されて、俺と兄貴は知っていたから、これは絶対に江南南は強くなると言って喜んでいましたね。俺は高校を卒業して指導者になって松本先生の勧めもあって、江南中からコーチをスタートしたんですよね。江南中では全中は行けなかったですけど、県は2回取って、2000年にクマガヤSCに移りました。
―クマガヤSCの強さの秘密というのはなんでなんでしょうか?
松本先生がやっぱりやる気にさせる。よく言われるのは褒めるタイミングだとか、声の大きさ。「なんでいま褒めないの?」「そうするとシュートを打たなくなっちゃうだろ」と。そういうところでやっぱり先生は子供たちの心をやる気にさせるのがうまいですよね。
あとここ数年は食事とかフィジカルトレーニングに力を入れていて、バランスだとかアジリティ系のこともかなり多いですね。ラダーとかも多分一番早く取り入れて。佐々木則夫さんがすぐそこに住んでいたので、あの人からもすごく影響を受けましたね。
佐々木さんもよく言っていたのは「ボールを扱うんだからボールを使う練習が多いということもわかるけどそれはそれで、ボール扱いを上達させるにはそれ以外、ボールを使わないでラダーとかミドル系とかそういうもので身体を整えることも必要」だと。それでまたボールを触ると「あれ?」って、子供たちも切り返しがスムーズにいくようになったとか、自分でちょっと感じているのでまた真剣にやりだす。結構みなさん「クマガヤ=フィジカル高い」よねみたいにいうけど、最初から高くはないんです。1年で他のクラブとやっても別に際立ったりはしていないんですけど、どんどん伸びていく。その辺は間違ってないのかなとは思います。
―やはり松本先生のスピリットというのはこの地域全体に流れているものでしょうか。
そうですね。先生が来てから県北は変わったし、江南南をここまでにして、江南中が優勝したり、クマガヤSCができたり、県北がこうなるとは。県大会に出て喜んでいたんですからね。(原口)元気がW杯のピッチに立った時はやっぱりちょっとジーンと来ましたね。
―これまで多くのJリーガーを輩出されてきました。2019年のJリーグの街クラブ出身者のランキングでも横河武蔵野FC、三菱養和巣鴨に次いでクマガヤSCは8人で3位です。
集まってきてくれるのは嬉しいですね。江南南の子が来るっていうのがわかっているから、それでもやってやる、あいつらの中に入ってレギュラーを取るんだっていうのは結構自信がある子。そういう子が集まって自信満々にやり合うので磨かれますよね。
先生は「教えすぎるな」「磨きすぎるな」と言いますね。「ダイヤの原石は削ると輝くかもしれないけど小さくなってしまう。ダイヤを小さくしてはダメだよ。そのまま次に渡せばいいと」。角を少し削る程度で、磨きすぎない。そこはものすごく肝に命じています。
―若いうちに削り過ぎずに送り出していることが次の年代での輝きに繋がっているんですね。最後に今後のクマガヤSCとしての展望を教えてください。
子供も減ってくる中でしっかり地域に根付いたクラブに、そしてやっぱりレベルの高いところを目指したいというのと、あとは部活動をやっている子も掬い上げられたらといま考えていて。関東リーグのレベルを伝えることで刺激することも役目かなと思っています。
クマガヤSC NEXT STAR図鑑
ダイナミックなドリブルからのラストパスや交わしてからのシュートを得意とするボランチ。クマガヤSCではキャプテンも務めた。前橋育英では「1年生から全力でやればトップチームにも上がれるチャンスはあると思う。最初から一番上を目指してやっていきたいです」。
身体を張ったポストプレーが武器の高橋は昨季OBが活躍し、埼玉2冠を達成した成徳深谷に進学。もとより身体の強さはあるが、「もっと筋肉をつけて、当たり負けしない身体を作りたいです」とさらに肉体に磨きを掛け、先輩たちが果たせなかった選手権の舞台を目指す。
50mは6.4秒、加速が自慢のスピードスターは王者・青森山田へ。群馬の館林出身で中学3年間は片道1時間をかけて通った。両親ともにブラジル人のブラジル国籍。青森山田で海外籍というと東松山出身のバスケス・バイロンがいるが、選手権スターを上回る活躍を誓った。
ドイツ人の父と日本人の母を持つCBは181cmの身長を生かしたヘディングと右足のキックが売りだ。高校年代では浦和レッズユースに進路を取る。「難しい挑戦なんですけど、プロになれるよう頑張りたいです」。クマガヤSCでの経験を糧にレッズでのトップ昇格を狙う。
石黒登(取材・文)