昨年の選手権予選は無念の不戦敗に。川口北は先輩たちの想いも背負い、県8強以上を狙う

新人大会・南部支部2回戦が16日に行われ、川口北と浦和の一戦は2-1で川口北が勝利した。

2回戦の注目カードはいきなり動いた。前半8分、川口北はハーフウェーライン付近からのフリーキックをゴール前に送ると、MF井田瑠泉(2年)がこぼれ球を見逃さずに詰めて先制する。

しかし、浦和もすぐさま反撃に出る。失点から7分後の前半15分、MF村田暁(2年)がエリア外から放ったミドルシュートが綺麗な軌道を描いてネットに収まった。ボランチの村田はシュートの感覚が良く、28分には右足のロングシュートがクロスバーを叩くシーンもあった。

川口北は左WB舟越健太(2年)の突破や前半35分にはフィードをFW大久保陽太(2年)が収め、FW佐々木理一郎(1年)が狙ったシュートがわずかに左に外れるシーンもあったが、前半はボール際に対して圧力をかけてくる相手に対し、少し全体的に受け身に回ることがあった。

池田一義監督は「前半はちょっと受け身の部分があった。ハーフタイムはもっと奪うにしても奪いに行く人とそうじゃない人の局面の差が出てしまっていて、そこを突かれてしまっていたのでみんなで一緒になってやろうよと。もっと積極性を出して、積極的に仕掛けられるし、奪うことに対しても奪えるし、後ろ向きになるな」と攻守における積極性について指示を加えたという。

後半は攻守におけるギャップがなくなり、両ワイドを起点に積極的に攻撃に出る機会を増やす。すると13分、大久保を起点とした攻撃でサイドを揺さぶり、右WB石原峻吾(2年)のラストパスに先制点を決めた井田が右足ダイレクトで放ったシュートがゴールネットに突き刺さった。

その後は追加点は生まれなかったものの、最後まで攻め続けながら2-1で勝利。MF山倉大路(2年)主将は「(後半は新チームになって)一番良かったんじゃないかと思います」と語った。

昨年は池田監督が赴任3年目で、指揮官の代名詞である「攻めて勝つ」を初めて掲げ、インターハイ予選では県ベスト16に入ったが、そこを超える成績を狙った選手権予選は無念の不戦敗となった。そういった中で池田監督は「まず今日試合が出来たことが本当に良かった」と振り返る。

今年は昨年の代でもスタメンだった大久保、山倉、DF飯塚平真(2年)、DF栗原歩叶(2年)を中心にコンセプトを継続し、この日の後半に見せたようなスタイルで県8強越えを狙う。エースを担う大久保が「先輩たちの想いも背負って、良いところまで行けるようにやっていきたい」というように川口北は昨年プレー出来なかった先輩たちの分も今年1年にぶつけるつもりだ。

石黒登(取材・文)

試合結果

川口北 2-1 浦和
1(前半)1
1(後半)0