武南が兄弟対決制し3連覇。チャレンジの中で成長しながら選手権で一番高いところに/COPA BUNAN AMIGOS
「COPA BUNAN AMIGOS 2021」が8月9、11、12日と行われた。今年は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下とこういうこともあり、県内のチームのみで開催。そういった中で1位決定戦は武南と武南Ⅱの兄弟対決となり、3-1で勝利したAチームが大会3連覇を達成した。
早々に先制したのは武南Ⅱだった。前半3分、10番FW萩原康太(3年)が右足のロングシュートを突き刺して均衡を破る。セカンドは序盤、萩原の仕掛けやトップとそん色ない力を持つMF山本昇太(2年)、MF渡辺崚太郎(2年)といった選手が勢いを持って攻めていった。
それでも徐々に押し込んでいったのはAチーム。すると前半31分にMF松原史季(1年)のスルーパスに抜け出したFW齋藤陸(3年)が先制。さらに35分にはコーナーキックの2次攻撃をファーサイドでDF田村賢司(2年)が折り返し、最後は齋藤が詰めてこの日2点目とした。
後半は2点を追う武南Ⅱが攻勢をかけるが、AチームはMF山田詩太(2年)が自慢の予測の高さを生かしてセカンドを拾い、カウンターに繋がりそうな場面をカット。試合終了間際にはMF森田颯(2年)のラストパスを松原が決めてダメ押しとなる3点目とし、3-1で勝利した。
優勝を飾ったものの課題も出た。今大会は2日目の本庄第一戦に続き、先制点を与えたこともあり、内野慎一郎監督は「今回は失点というのがやっぱり」。2つとも何気ないミスから失点が生まれているだけに「今後、選手権を戦うには大切なキーワードになってくると思います」とした。
そしてその中でも「チャレンジは大切にしてほしい」とし、「いまじゃないとチャレンジ出来ないことはたくさんある。選手たちには勇気を持って、ドリブルで仕掛けてという武南のスタイルで、最後のパスのところで崩せたらいい」とこの時期はどんどんチャレンジする姿勢を求めた。
チームはこの冬に向けて力を蓄える。ピッチ中央で舵取りをする山田詩はこの数ヶ月で守備力が格段に上がり、リズムを作るパスに加えて攻守で存在感を放てるように。また、これまでとの大きな違いはDF中村優斗(3年)のWB起用。インターハイまでは読みの良さと後方でも落ち着いてボールを持てる技術の高さを買われてCBを勤めていた中で「彼の攻撃的な良さを生かすなら」と指揮官もサイドでの起用を示唆していたが、インハイ後からWBへ。サイドをスタートとしながらも、インサイドに入ってゲームコントロールに加わる、枠にとらわれない“偽SB”は選手権に向けても楽しみなところ。中盤では「ここのところすごく調子が良い」というMF内田龍聖(3年)がスタメンを掴んだ中で安定したプレーを見せるなど、チーム内での競争も高い。
関東大会、インターハイ予選はともに準優勝と悔しい想いをしているだけに中村主将は「2回決勝に行って負けていて、やっぱり3回目はない。必ず全国に出たいし、いま武南高校は古豪と言われているんですけど、ちゃんと強豪と呼んでもらえるようにやっぱり勝って示していきたいと思います」と選手権に向けて意気込み。チャレンジの中で成長しながら一番高い景色を目指す。
石黒登(取材・文)
試合結果
武南 3-1 武南Ⅱ
2(前半)1
1(後半)0