急遽のコンバートも結果を残す2年生アタッカー。川口西MF小野寺栄斗は「代わり以上の存在になれるように」今大会を通して成長する/学総県大会3回戦

県学校総合体育大会・3回戦(25日)。川口西中は4-0で原山中を下し、ベスト8に進出した。

川口西が前日大勝の慢心なく勝利を掴んだ。2回戦・熊谷大原中戦は8-0と快勝を収めていた。横田純一監督は「どうしても中学生なので気持ち的に油断がないというふうに作っていても、どうしても油断が生まれてしまうもの。そういうところは自分たちでもう一回円陣を組む前に気を引き締めてやろうという話はした」と、開始前にいま一度気持ちを引き締めたことを明かした。

その成果もあってか、立ち上がりは押されたが、ここを耐えると前半10分、この日もエースFW田中悠真(3年)が魅せる。スローインからMF小野寺栄斗(2年)のパスを受けた田中はドリブルでディフェンスを剥がし、3戦連続今大会6得点目となるゴールを突き刺して先制した。

前半は相手の運動量も高く、この1点に終わったが、後半9分に田中がキーパーを引きつけてのラストパスを小野寺が決めて追加点とすると以降は試合の流れを掌握。31分には再び田中の抜け出しからの左足のシュートはキーパーに防がれたが、こぼれ球をMF大森拓真(3年)がヘディングで詰めて3点目。さらに終了間際には大森が左足を振り抜いて4-0とし締めくくった。

急遽のコンバートも結果を残す2年生アタッカー。川口西MF小野寺栄斗は「代わり以上の存在になれるように」今大会を通して成長する

「根石くんの後ということで緊張していたんですけど、“代わり以上の存在になれるように”と思って頑張りました」。2年生アタッカーは今大会を通じて代役以上に存在になっていく構えだ。

今大会川口西は1回戦の植竹中戦でFW根石優(3年)が終盤に右手を骨折しアウト。それに伴いサイドハーフからFWにコンバートされたのが、2年生アタッカーのMF小野寺栄斗だった。

「もともとスピードもあるし、フィジカル的にも自信を持ってやっている選手」と指揮官も信頼する18番は、コンバート初戦となった熊谷大原戦で2得点の活躍。そしてこの試合でも2トップを組むエースFW田中悠真とうまく補完関係を築きながら1ゴール、1アシストを記録した。

またボールを持った時だけでなく、オフ・ザ・ボールの際にも質の高い動き。横田純一監督も「今大会で成長してくれている選手かなと思います」という成長力でFWでも結果を残しつつある。

それでも本人は「まだ出来るかなと」と満足していない様子。「根石はもっと出来ると思うので、自分ももっとやっていきたい。根石はボールを持った時の存在感というか、自分で行くぞみたいな感じがすごく強い。自分もそこは出せるようになっていきたい」。その上で「自分は足が速いので、そこから裏への抜け出しとか、クロスとかが上げられたり、相手に囲まれた時でもうまく足技で交わせればやれると思います」と自分の特徴を出して、先輩FWを上回っていく構えだ。

50m、6.5秒の俊足に加え、フィジカルの強さはトレーニングで戸谷弘太郎コーチと鍛え上げてきたもの。「(1年生の頃は)基礎からしっかりとやって、そこで応用を入れて、特にお尻と腿とふくらはぎというのを結構力を入れてやっていました。いまは腕とか胸とかをやっている感じです」。フィジカルトレーニングの効果で体重も「10キロくらい」増加し負けない身体になった。

トップのポジションでは自分の長所を生かしつつ、FWキリアン・ムバッペ(PSG)のプレーをイメージ。「膨らむ動きとかがすごいですし、そこからトップスピードに乗っていく動きとかがすごい参考になります」と世界屈指の快足FWを参考にプレーのイメージを膨らませている。

「しっかり自分が決めてチームが楽になるように、自分が成長出来るように頑張っていきたいと思います」。来年のエース候補は試合の中でうまい先輩たちからさらに技術を吸収し成長する。

石黒登(取材・文)

試合結果

原山 0-4 川口西
0(前半)1
0(後半)3