無念のOGも仲間たちの声で切り替え。昌平DF篠田大輝が主将としての責任感見せた2得点

高校総体県予選・3回戦。昌平と立教新座の一戦は、延長戦の末に昌平が逆転勝利を収めた。

立教新座は両WBが下がった後ろの5枚と中盤で強固な守備ブロックを形勢。まずは守備から入る。これに対し昌平は押し込みながらもこの組織的なディフェンスを攻略するのに苦労した。

それでも昌平は後半「リトリートして守ってくるチームもあるということは想定していた中でこういう相手にはすごく良さを発揮できる」(藤島崇之監督)というFW伊藤風河(2年)を投入。強靱な身体を誇る伊藤が背負い、2列目から飛び出す形を増やすことでチャンスを増やす。

後半4分には伊藤がゴール前の混戦から、7分にはMF篠田翼(2年)が抜け出しから、15分にはMF米陀大洋(3年)のフリーキックが枠を捉えたが、いずれも立教新座の守護神・戸田羽響(3年)が好反応を見せてゴールは許さず。ディフェンスラインも最後の部分で粘りを見せる。

すると先制したのは立教新座だった。後半26分、DF今野朝陽(2年)が引きつけてスルーパスに抜け出したMF岡本聡吾(1年)がスピードに乗ってクロス。これがオウンゴールを誘った。

しかし昌平はその2分後、伊藤がエリア内で倒されてPKを獲得。これをDF篠田大輝(3年)が決めてすぐさま同点に。その後迎えた延長戦でも勢いに乗って攻めると延長前半2分、篠田大の仕掛けの姿勢がエリア内でファールを誘い、このPKを自ら決めて勝ち越した。昌平はさらに延長後半6分、DF本間温士のクロスをMF平原隆暉がネットに沈めて3-1とし勝負を決めた。

無念のOGも仲間たちの声で切り替え。昌平DF篠田大輝が主将としての責任感見せた2得点

「仲間に感謝です」。試合を終えたDF篠田大は安堵の表情とともに仲間たちへの感謝を語った。

この日は攻め込みながらも得点が奪えない難しいゲーム展開の中で後半26分、相手のグラウンダーのクロスを阻止しにいったスライディングがオウンゴールに。篠田大が入っていなければ後ろの選手に詰められていた場面であり、しょうがないというような失点だったが、「まさか自分が…」という精神的なショックも大きく、その瞬間は心が折れかけそうになっていたという。

それでも「そこで「下を向くな」「まだ大丈夫」みたいな声かけがあって切り替えられたというか、引きずらずに出来た」と仲間たちの声ですぐに切り替え。それと同時に「絶対に俺が取ってやるんだ!」という強い想いが生まれたという。そしてその瞬間はすぐに訪れる。失点から2分後に伊藤がエリア内で倒されPKを獲得。スポットに立った篠田大は「ゴールがでかく見えたというか、わりと落ち着いてできた」。降り続いていた雨に加え、これがこの日2試合目とゴールエリアのコンディションはあまり良好とは言えない状況だったが、「助走に入った時には心に余裕があった」という背番号9はキーパーの届かない左下隅に流し込んでまずは同点に追いつく。

将来を見据えて今年からSBを務めているが、もともとはここ一番の得点力が光るアタッカー。延長前半2分のPK奪取はその攻撃性が出た形だ。「相手が引くやり方だったのでサイドからの仕掛けというのがめちゃめちゃ重要。そういう部分で自分が前にいたのは良かったと思います」と篠田大。再びスポットに立つと今度は右方向に思い切り蹴り込んでこれが決勝弾となった。

今年は2年連続全国8強のチームの主将を務める中で外からはわからないプレッシャーもあるだろうが、その中でもキャプテンマークを巻くものとしての強い責任感を示した2得点だった。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 3-1 立教新座
0(前半)0
1(後半)1
1(延前)0
1(延後)0