昨年の新人戦以来となるタイトルを狙った花咲徳栄だが、PK戦の末に悔しい敗戦となった。

チームは決勝を前に後ろの選手に負傷者が出たこともあり、本来ボランチの橋本琴音がCBに。フォーメーションもディフェンスラインの前に３枚のボランチが並ぶ４－３－２－１に変更し、今大会で初めて“ディフェンシブ”な形で試合に入ったが、「マッチアップでうまく機能していないところがあった。３人のボランチのところでもう少し弾き返せれば」と末貴光監督が語ったように中盤の攻防戦で流れを掴みきることが出来ず、イーブンの展開に持ち込ませてしまった。

攻撃では武器のサイドアタックから左SB三尾心々美が鋭い突破を見せていたが、「どうしても視野が狭くて、攻撃がサイドに偏ってしまっていた」とチーム全体としてサイドに固執しすぎるあまり攻撃が停滞。先に失点するとFW正木佑奈のゴールで同点としたが、延長後半にFW滝沢美結が放ったシュートはクロスバーに嫌われるなど、勝負を決めきれずにPK戦で敗れた。

指揮官は「もう一回チームを１から見つめ直して作っていくしかない。１年生も頑張っていたところもあったので、もう一度学年関係なくフラットに見て、また１からというところかなと思います」とチームの再編成も示唆。再度の競争の中でチーム力を高め、冬にもう一度奪還に挑む。

石黒登（取材・文）