「カラーのある」選手たちの集合体。西武台期待の世代が6年ぶりの関東予選制覇で好発進
関東大会・県予選決勝は西武台が2-0で武南を下し、6年ぶりとなる8度目の優勝を飾った。
西武台はこれまでの試合と同じようにMF福沢安莉が起点となりながら攻め込んだが、「もう少し雨の中でもボールを握れるかと思ったが、思った以上に相手にしっかりと阻まれてしまった」(守屋保監督)。MF吉野光も「思った以上に(ピッチが)濡れていて難しかった」と振り返る。
逆に武南は中盤をコンパクトに保ち、最終ラインではDF鈴木翔汰が大会7発と爆発していた西武台FW市川遥人に対応し、DF中村優斗が常に1枚余る状況を作りながら安定した守備。セカンドを獲得するとMF水野将人の打開や武南らしいショートパスが見られる場面もあった。
それでも西武台は今大会何度も流れを変えてきた選手交代で流れを握る。後半からFW細田優陽を投入し、起点を増やすと前線が活性化。すると15分、吉野のクロスをDF原田蓮斗がヘディングで折り返し、細田が頭で押し込んで先制した。さらに17分にはコーナーキックを今度はDF長谷川智紀が1点目と同じように中へリターンし、吉野が決めて2-0とし勝負を決めた。
終わってみれば5試合を戦い、15得点無失点と現時点で頭一つ抜けている印象だ。守屋監督は「練習時間も限られる中でパフォーマンスの質の高さを求める形になってきた。自分が何をするのか、どういうプレーを求められているのかがはっきりと残る形で練習を終われているんじゃないかと思います」と少ない練習時間の中で選手たちの意識の変化があったのではと語る。
1年時に関東ルーキーリーグで3位に入った今年は選手層も厚く、スタメン選手、交代選手を含め「カラーのある」選手たちの集合体だ。今大会では特に交代選手がそのカラーを放つことでチームに鮮やかな色を加えていた。「今年は特徴のある選手がいる中でチームにどういう変化が生まれるかというのを見ていた。その中で交代する選手の特徴を生かすことがこれからもどんどん出来ていくんじゃないかなという楽しみはたくさんあります」と指揮官も手応えを口にする。
まだまだ課題もあるが、大きな可能性を持つ代。それぞれがそれぞれのまばゆいばかりの色を放ちながら、混ざり合い、そしてチームとして最後にどんな画を描くのか。いまから楽しみだ。
石黒登(取材・文)
試合結果
武南 0-2 西武台
0(前半)0
0(後半)2