全国高等学校総合体育大会 埼玉県予選2回戦 飯能南 vs 埼玉栄
全国高校総体・埼玉県予選2回戦。白熱の第1試合に続き、浦和南高校会場第2試合は埼玉栄高校と飯能南高校が対戦。MF石橋彪、MF福島健太が2得点ずつ奪うなど、6ゴールを挙げた埼玉栄が6ー0で飯能南を下し、ベスト16進出を決めた。
チームにとっての初戦で6得点大勝。埼玉栄は昨年のメンバー3人が結果を残した。
やや立ち上がりの重さもある中で先制点は前半8分。2年生MF春原尊のアシストから福島が決めてゲームを動かす。早々の得点でこのまま勢いに乗るかと思われた埼玉栄だが、逆にチームは気持ち的な余裕が出たことでやや後ろ偏重の形となってしまい、そこでのパスミスなどから飯能南に押し込まれる時間帯を作ってしまう。
前半28分には石橋が前線から激しく追い込んでボールを奪い、自らドリブルで持ち込んで2点差に。しかし「中盤での攻防は守備がほとんどだった。そこを剥がしてやろうという話はしていたんですけど……」と稲垣忠司監督がいうように、ボールを持ちながらもなかなか攻め切ることができないまま2ー0で試合を折り返すこととなった。
するとなかなか勢いに乗り切れない埼玉栄に対し、飯能南が一気に反撃に出る。開始直後から攻める姿勢を見せていくと、後半8分には右サイドバックの榎田海斗がドリブルで持ち上がって、ラストパスからMF松岡洸がシュート。ここは埼玉栄GK高橋将が防いだが、2点ビハインドの飯能南がまずは1点を狙う気持ちを見せる。
それでも「前半は中盤がなかなかボールを受けられなかったが、ハーフタイムにはしっかり(中盤で)顔を出して前を向こうと話をされた」(石橋)という埼玉栄は、スピードのあるサイドを使いながら徐々に中盤での形を取り戻していく。後半13分には右サイドバックの松山湧紀のスルーパスに春原が抜け出してゴール対角に突き刺した。
それから6分後には途中出場のMF千島嵩也とのワンツーでエリア内に侵入した松山がゴールに流し込んで4点目。さらに松山は後半31分にも福島のこの日2点目をアシストした。シュートもクロスも「まぁまぁ」だと本人はいうが、両足で蹴れるのは大きな持ち味。稲垣監督も「去年から出ているので上がっていくタイミングはいい。サイドを使って攻めていくのがうちのひとつのスタイル」と話すサイドのキーマンが3得点に絡んだ。
その後アディショナルタイムにはゴールやや左寄りで受けた石橋が「自主練でやっていた形」だというコントロールシュートを突き刺して6点差。飯能南は中盤で存在感を見せたMFタンガニカ・グロディがミドルシュートを放つシーンもあったが、最後まで高橋のゴールマウスを割ることができず。6ー0で埼玉栄が地力の差を見せた。
石橋、福島、松山と昨年から出ている選手たちが結果を残したのは収穫。サイズ感はないがアタッカー陣にはタレントが多く、この日見せたように攻撃力は十分だ。
「上に行くほど本当に1試合で1個2個のチャンスをものにできるかの勝負になる」と稲垣監督。武蔵越生高校会場で行われる17日の3回戦では川口東高校と激突する。
石黒登(取材・文)
試合結果
飯能南 0-6 埼玉栄
0(前半)2
0(後半)4