<全国高等学校サッカー選手権大会 埼玉県予選会決勝トーナメント>西武台高校 vs 成徳深谷高校
15日(土)「全国高等学校サッカー選手権大会 埼玉県予選会決勝トーナメント」が一斉に開幕。
15日(土)「全国高等学校サッカー選手権大会 埼玉県予選会決勝トーナメント」が一斉に開幕。西武台高校会場では初戦から、ともにS1リーグ所属の西武台高校と成徳深谷高校が相見えるという注目の一戦が行われた。
今季リーグ戦の成績は西武台の1勝1分。だが、「1戦目が2-2で2戦目が2-1。2戦ともやっともぎ取ったという試合だった」と西武台・守屋保監督がいうように力は拮抗しており、この試合も1点を争う展開となった。
序盤から仕掛けたのは西武台。しかし、「今日は相手の守備がよく、外からも中からも崩せなかった」と守屋監督が振り返った通り、ボールを持ってもなかなかゴール前で決定的な場面を作ることができず。対する成徳深谷はカウンターやセットプレーからゴールを狙うが、こちらも得点には至らない。
結局、80分を越えても両チームに得点は生まれず、延長戦でもゴールネットは揺れないまま、勝負の行方はPK戦にもつれ込むことに。先手を奪ったのは西武台だった。GK髙麗稜太が成徳深谷2人目のキックをセーブ。蹴っては5人全員が落ち着いて決めて、苦しみながらも2回戦進出を決めた。
実は前日、Bチームとの紅白戦でPK負けを喫していたスタメン組。指揮官はあえて負けた形のまま練習を終わらせたという。「PKを外した選手は特に終わったあと、キックの練習をしていた」と今井祐太朗主将。練習は裏切らないということか、その選手たちが本番では次々とPKを成功させていった。
ちなみに殊勲のGK髙麗は、今予選にメンバー入りした中で唯一の1年生。高校総体予選ではメンバー外だったというが、その後の鹿島合宿を経てレギュラーの座をつかみとった。1年生レギュラー、初の選手権予選、しかもPK戦という状況にも「これを止めればヒーローだなという気持ちで挑んだ」という強心臓。PKストップの場面では最後まで動かず、相手が焦れてコースが甘くなったところを見逃さずに、チームを勝利に導いた。
「このまま勝ち上がって先輩たちを選手権に連れて行きたい」と髙麗はいう。昨年は決勝で正智深谷高校に0-1で破れ、あと一歩のところで選手権への切符を逃した西武台。6年ぶりの本大会出場を狙う同校にとって、この1年生GKの台頭は明るい材料といえそうだ。
尚、翌日に行われた2回戦で西武台は熊谷高校に3-2で勝利。29日(土)の3回戦では優勝候補の一角・狭山ヶ丘高校と激突する。
石黒登(取材・文)
試合結果
成徳深谷 0(4PK5)0 西武台
0(前半)0
0(後半)0
0(延前)0
0(延後)0
4(PK)5