決勝点も「あと4点取れた」と反省。FW小松慧は自分の現在地をしっかりと見つめながら来るチャンスを掴みきれるように 【デンソーカップチャレンジサッカー】
デンソーカップチャレンジサッカー 熊谷大会・グループリーグ第1戦。東海選抜は前半に挙げたFW小松慧(常葉大2年)のゴールが決勝点となり、1-0で中国・四国選抜を下した。
小松は越谷サンシンSSSの出身。中学年代はFC東京U-15深川に進み、高校は青森山田高に進学。2年前の選手権ではスーパーサブとして準決勝の尚志高戦、決勝の流通経済大柏高戦でゴールを記録。「炎のストライカー」という自称に違わぬ魂のこもった熱いプレーで優勝に貢献した。
この日も積極的にゴールを狙う姿勢を見せると前半17分、右サイドからの攻撃から味方の落としを最後は右足で決め、熱さを溢れさせるように咆哮。結果的にこのゴールが決勝点となった。
しかしその後は前半22、32、43分と好機を迎えながら決めきることができず。「チャンスは作ってもらえていた中で僕個人だけでもあと4点取れたかなというのはある」と反省した。
小松にとってもデンチャレはアピールの場。「この大会に集まるほとんどがプロを目指していて、スカウトの方もいっぱい見に来てくれていて、もちろんチームの勝利も大事ですけど、その先に自分の夢を掴めるか、掴めないか。僕の同期でプロに行ったやつらを見ても、そのチャンスは僕にもあったわけで、そこでふるいにかけられて入れなかった現状がある。1点取ってチームが勝ったから、じゃあスカウトから声がかかるかと言ったら、今日のゲームをやっていたら可能性は0だなと自分でも感じるし、あそこで2点、3点ぶち込めていたら道は開けていたのかなと思う。そういうチャンスはやっと大学3年目のシーズンにしてもらえている。「そこを掴むか、掴まないかは自分次第だぞ」と、よくノボリさん(澤登正朗監督)にも言われているので、掴むというところでは今日は足りなかったかなと思います」。
前年度の全国大会では1回戦で関西学院大に延長戦の末に0-1で敗退。スコア以上の大きなものを感じ、もどかしさもあったというが、同時に「巡り合わせというか、自分が正しい取り組みとか、チームが正しいビジョンを迎えている時は自ずとチャンスは来ると思うし、それが引き寄せの法則だと思うんですけど、それを信じてやり続けてきたシーズンだったので、もちろんその見てもらえる、見てもらえないというところだけで言ったら見てもらえない回数が多かったですけど、自分の目指しているものに対してやってきたことというのは間違っていなかったなと、今年の新チーム立ち上げからプレーしていて思うので、去年のもどかしさは間違いなく、僕のいまのプレーのプラスになっているなとすごく感じます」という。
オフシーズンでは「まずは自分がプロも含めて全国的にどの立ち位置にいるのか」というところから分析。清水や長野などのJクラブと練習ゲームを行う中で「J1相手にどのレベルで何ができて、J3相手だったらここまでできたとか、そういうのを結構リアルにできた。その距離感っていうのはなかなか測りきれない。それが今年、デンソー前にわかることができたのはすごく大きかった」とレベルアップへのきっかけのようなものも感じている。
自分の現在地をしっかりと見つめながら成長し、来るチャンスを必ず掴み取るために。第2戦の関東C・北信越選抜は初戦取れなかった複数得点を決めて、チームを準決勝に導く。
石黒登(取材・文)