高円宮杯JFA第32回全日本U-15サッカー選手権大会 準決勝 浦和レッズJY vs 鹿島アントラーズつくばJY
浦和レッズJYは2度のビハインド追いつくもPK戦で敗退。内舘監督「これを経験として生かして成長してもらいたい」
「高円宮杯JFA第32回全日本U-15サッカー選手権大会」準決勝(22日、味の素フィールド西が丘)。浦和レッズジュニアユース(関東2)は2度のビハインドを追いつくもPK戦の末に鹿島アントラーズつくばジュニアユース(茨城県、関東3)に敗れ、2年連続の3位に終わった。
前半は緊張感から来る身体の固さ、またポジショニングや判断というところでミスもあり、なかなか本来の攻撃を見せることができず。そういった中で32分に一瞬の隙を突かれて失点した。
「前半はポジショニングのところであまり良くなかった。相手を見ながら、しっかりと中間のポジションを取りながら、判断してプレーしていこうというところで少し修正しました」と内舘秀樹監督。さらにボランチの両脇やディフェンスラインの背後のスペースを突いていくことを確認しあうと、ハーフタイム明けからは相手コートに押し込んで進める場面が明らかに増えた。
後半は途中出場のFW志田出帆が前に向かうエネルギーを追加し、FW清水星竜も積極的にゴールを狙っていく姿勢を見せる。すると19分に右サイド深くでフリーキックを獲得。MF早川隼平のキックのこぼれ球をDF松原史季がエリア外から直接右足を振りぬきネットを揺らした。
しかし引水直後に再び失点。その後も攻め込みながらも得点が奪えない時間が続いた中で試合はついにアディショナルタイムに。それでも浦和レッズはここで驚異の粘りを見せる。フルタイムを迎えた44分、右サイドでスローインを獲得すると、途中出場から好スローを連発していたMF高橋昂平がゴールエリア中央に向けてこの試合最後のロングスローを放り込む。敵味方入り混じった混戦となった中でこれが相手のオウンゴールを誘って土壇場で再び同点に追いついた。
PK戦はGK吉澤匠真が相手の4本目をストップしたものの、1、4本目とポスト直撃が2本出てしまうなど2-4で敗戦。昨年大会に続き、全国での戦いは4強で幕を閉じることとなった。
内館監督は「最後まで諦めずにやろうというのはいつも言っていること。そこでみんな戦ってくれたのは大きいですけど、勝たないと必ず後悔が残ると思うのでそのあたりは選手たちにとってはきつい経験になったと思います。ただここがすべてじゃない。次のステージでもこれを経験として生かして成長してもらいたいと思います」とこの経験を成長の糧としてほしいとした。
今年は11名の選手がユースに昇格予定。「個人としても技術のある選手たちが多い。ちょっと小柄かなというところもあるんですけど、技術がしっかりしていて、前への推進力や走力、そういったところも兼ね備えている選手たちだと思う。またユースになって楽しみ」と期待した。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和レッズJY 2(2PK4)2 鹿島アントラーズつくばJY
0(前半)1
2(後半)1
2(PK)4