高円宮杯 JFA 第32回全日本U-15サッカー選手権大会 埼玉県予選代表決定戦 坂戸ディプロマッツ vs GRAMADO

「高円宮杯 JFA 第32回全日本U-15サッカー選手権大会 埼玉県予選」の代表決定戦が9月21日に行われ、坂戸ディプロマッツは6-0とGRAMADOを破り、関東大会進出を決めた。

序盤から押し込んだディプロは前半12分、ゴール前の混戦をFW髙野夏輝がヘディングで押し込んで先制。22分にはDF見山優の高速クロスを髙野が点で合わせると、30分にはその前にも惜しいシュートを放っていたMF平塚大吾が精度の高い右足で流し込んで3点目とした。

後半2分にはクロスから髙野が三度ヘディングで突き刺してハットトリックを達成。その後も7分にFW平井心瑛が、アディショナルタイムには途中出場のFW笹生悠太にもゴールが生まれるなど大量6得点を奪って、8年連続となる高円宮杯関東大会行きの切符をゲットした。

6-0完勝を収めたディプロ。「チームみんなで」初の高円宮全国大会出場を目指す

ディプロとしてはまさに「完勝」と言っていいだろう。

3年前にクラブユース選手権で全国に出た代やそのひとつ前の髙田颯也(大宮アルディージャ)の代と比べれば個では劣るという中で、今年は「チームみんなでというのをひとつテーマにしている」と小林翼監督。全員がさぼらずしっかりと前線からプレスをかけつつ、この日はセカンドの予測の良さも光り、相手をハーフコートに押し込みながらテンポよく得点。また、終盤は相手にボールを持たせながら、きっちりと締める老獪さも見せた。

チームの中心はアンカーを務める大島あらただ。卒業後は県外の強豪校に進むという10番は「今日はあまりボールを触れなかった。自分的にはプレーは良くなかったです」としたが、ボールを持った際には左右に的確な展開を披露。上位大会での活躍が期待される。

高円宮杯は2017年に代表決定戦まで行きながらも全国にはあと一歩届いていないところ。小林監督は「子供たちは全国に行きたいともちろん思っている。まずは1回戦ですが、全国を目指して頑張りたいと思います」と初の高円宮杯・全国大会出場を目標に掲げた。

FW髙野夏輝が頭で3発

6得点完勝。その口火を切り、自らも3ゴールを奪ったのがFW髙野夏輝だ。

前半12分、ゴール前で敵味方入り混じった混戦となった中で「ボールに食らいついた」先制弾。続く22分には難易度の高い高速クロスを「昨日の練習で近いボールが来ていてイメージはあった」とニアサイドで点で合わせた。後半2分には三度頭で決めてハットトリックを達成。

「ヘディングは自分の長所だと思っている。そういうところを味方がちゃんと理解してくれて、出してくれるのであとは決めるだけでした」。怪我明けで久しぶりだったというハットトリックで関東出場に大きく貢献した。

チームではこの日2トップを組んだ長身の平井、途中出場からダメ押しゴールを奪ったスピードのある笹生と3人のFWが競い合いながら良い緊張感が流れているという。その中で髙野は決して特徴的というわけではないが、「ゴールへの入り方」などは自分で考えながら創意工夫。その成果がこの日の3ゴールに繋がった。

関東大会に向けては「このまま勝ち続けたいですし、その中で自分の点で勝ちきれる試合を少しでも増やしていきたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

坂戸ディプロマッツ 6-0 GRAMADO
3(前半)0
3(後半)0