令和元年度 新人大会南部支部1回戦 川口工業 vs 浦和商業
今冬FW転向の山本がハットトリック。FWとしての技術を吸収しながらメキメキと成長中
後半は疲労が出始めたことでプレッシャーを掛け切ることができなかったのは課題としつつ、川口工業・後藤崇宏監督は「前半でちゃんと試合を決めていこうという話はしていた。結果として点数がしっかりと取れたのは良かったと思っています」と6点を取った前半を評価した。
中でもFW山本夕海人はハットトリックの活躍。前半9分、38分とゴールを記録すると、ハーフタイム明けの後半4分に三度ネットを揺らした。「しっかり決めるところで決められたことは良かったんですけど、後半苦しくなって攣ったりもあったのでそこは課題だと思いました」。
実は山本、もともとフォワードだったわけではない。本来はサイドバックが主戦場の選手。フォワードにけが人が出た中で昨年12月にスクランブルのような形で前線にコンバートされたが、指揮官は「すごく頭を使える選手。飲み込みも早くて、前になってもうまく動き出したり、相手と駆け引きしたりというところで点数に結びついているのかなと思います」と評価する。
最大の武器はその頭の回転の速さを生かした抜け出し。「やっぱり裏に抜け出すタイミングをちゃんと計ってやっているところが自分の武器だと思います」。1点目はまさにその形でMF長沢拓弥のスルーパスを引き出し、最後はキーパーを冷静に外して左足でネットに流し込んだ。
まだ始めて1、2ヶ月ほどだが、抜け出しや得点以外にも守備時のファーストディフェンスやフォワードとして求められる動きをメキメキと勉強中。吸収欲も高く、後藤監督は「本当に全部を吸収したいという気持ちを持っている子なので、こちらがちゃんと伝えていけばすごい伸びてくれるんじゃないかという期待はまだまだしています」と、今後の成長に期待を込める。
「自分は1対1があまり強くない。裏に抜け出して自分で行くのは行けるんですけど、敵がいた時に何もできなくなってしまうので、そこはもっと強くしたいと思っています」(山本)。
その上で目指すのはチームとして4年ぶりとなる県大会出場だ。「前に工業で県大会に行ったことがあって、そこからもう代も変わって県大を知る人がいなくなったので、もう一度自分たちの代で県大会を目指して頑張りたいと思っています」と山本。今回は2回戦で浦和西に敗れたが、フォワードとしての技術を吸収しながら、チームを勝たせることができる選手になる。