平成28年度 全国高等学校総合体育大会レポート

平成28年度 全国高等学校総合体育大会が広島で開催され、埼玉代表の昌平高校と聖望学園がそれぞれ1回戦を突破。聖望学園は続く2回戦で敗退したが、昌平高校はベスト4に進出をして、現在も奮闘中だ。現地取材を行った、河野正さんのレポートをお届けする。

2回戦で優勝候補の東福岡に逆転勝ちし、喜ぶ昌平の選手

2回戦で優勝候補の東福岡に逆転勝ちし、喜ぶ昌平の選手

広島県で開催中の全国高校総体(インターハイ)サッカーの埼玉代表には、県予選を制した昌平と2位の聖望学園がそろって初出場を果たした。昌平は2013年の正智深谷以来、埼玉県勢として18度目のベスト4進出。聖望学園も2回戦で姿を消したとはいえ、両チームの攻撃サッカーは興趣に富んでいた。

昌平は1回戦で中津東(大分)を5-0と圧倒。看板の攻撃陣であるトップの本間椋とボランチ針谷岳晃がともに2点を奪い、左MF松本泰志も1得点した。

2回戦では先制されても強気の姿勢を崩さず、史上初の3連覇を狙った東福岡に3-2で逆転勝ち。後半6分の本間の同点弾に続き、24分には松本がPKを沈める。31分に同点にされたが、技巧派の針谷がロスタイムに左CKを直接蹴り込んだ。

前橋商(群馬)との3回戦は大苦戦。前半29分に先行され、決定機がほとんどないままタイムアップを迎えようとしたが、後半ロスタイムに本間が値千金の同点ゴール。PK戦では173㌢のGK緑川光希が4人目を止め、4-3で勝利した。

就任10年目の藤島崇之監督は「東福岡対策だけを練ってきたわけではなく、どのチームにも粘り強く強気なうちのやり方を貫くことに集中させた。チームは試合を重ねるたびに成長してくれた」と難敵を連破していった選手が誇らしげ。先発の平均年齢が16・9歳。1、2年生が5人スタメンに名を連ねる若いチームが、1戦ごとに力を付けている。

4試合で4得点の本間は「自分の特長はスピードを生かして(守備の)裏へ飛び込むこと。どの試合でも自信を持ってやり続けた」と強豪にも臆することなく挑戦した。

1年生からレギュラーの松本が決勝点を奪い、持久戦となった静岡学園との準々決勝も1-0で勝った。

1日の準決勝では12年の武南以来、埼玉県勢11度目の決勝進出を懸け史上最多の7度の優勝を誇る市立船橋(千葉)と対戦。藤島監督は「埼玉代表として王国復活を背負っていることをしっかり考えないといけない。選手もそれを自覚している」と頼もしい言葉を放った。

徳島市立戦で4点目を決めた糟谷(8)と万歳する山本監督(右端)

徳島市立戦で4点目を決めた糟谷(8)と万歳する山本監督(右端)

聖望学園は1992年の高校総体覇者で、91年の全日本ユース選手権も制した徳島市立に1回戦で4-1と快勝。3度のピンチをしのいだ前半23分に河野陸が先制点を挙げ、5分後にオウンゴールで2点目をものにすると、後半6分には山村紘太が蹴り込んだ。1点返された後の32分、ボランチの糟谷雄介が決定的な4点目を奪取したのだった。

鹿島学園(茨城)との2回戦はもったいなかった。前半に先制されたが、後半9分に右サイドバック中林良太が頭で同点弾を押し込むと、27分にはボランチ高橋龍也がこぼれ球を決めて勝ち越し。しかしロスタイムに追い付かれ、PK戦を5-6で落としてしまった。就任11年目の山本昌輝監督は「もう1点取りにいくのか、守り切あるかの判断が難しかった」と残念がった。

しかし県予選決勝で昌平と4-5という点取り合戦を演じた攻撃力が、全国大会でも十分に通用することを証明してみせた。昨秋には人工芝のグラウンドも完成し、抜群の練習環境が整ったことも励みとなった。

山本監督は徳島市立戦後「4点目が決まっても、さらにもう1点取ろうとした。守備的ではなく、自分たちの攻撃スタイルで戦いながら、守る方策も練ってきた。初の全国大会なのでまずは1回戦突破が目標でした」と喜んだ。

激しい上下動を繰り返した主将で左サイドバックの陸田瑛星は、「35分ハーフなので初めから走ろうと思っていた。後ろはラインを上げ、前はハイプレスを掛けるいつも通りのサッカーができました」と話した。全国大会での1勝は秋の高校選手権埼玉大会へ向け、確かな手応えをつかみ取ったに違いない。

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