令和元年度学校総合体育大会中学校サッカーの部準々決勝 新座第二 vs さいたま尾間木

令和元年度学校総合体育大会中学校サッカーの部・準々決勝(26日、RHF駒場グラウンド)。新座第二中学校は尾間木中学校を3-2と、点の取り合いを制して準決勝に進出した。

新座第二中と尾間木中の一戦は、試合開始早々から動いた。開始1分、尾間木のFW上田海輝人が低い位置からドリブル突破を仕掛けて、ゴール前まで侵入。GKと1対1の状況を作り出すもシュートはGKに弾かれた。しかし、その前のプレーがファールとなって、ペナルティーエリア正面からのFKが与えられた。これを上田が自らFKを蹴り、コントロールショットが、ゴール右隅に決まって先制点を決めた。

この後も尾間木はFW高見沢慧佑、MF島田鯉登がドリブルで仕掛けてチャンスを作り出すもゴールは決まらず。新座第二中もFWの村木優作がゴールを狙うなどチャンスを作るが、こちらもゴールを割ることはできずに、給水タイムとなった。

給水タイムを挟んだ、18分に新座第二中のFW樋口颯太が尾間木のセンターバックの間でボールを受けるとディフェンスを反転でかわし、そのまま左足を振りぬいて同点ゴール。これでペースを掴んだ新座第二中は、28分にもMF小川文孝がボランチの位置からスルスルと駆け上がり、GKをかわして逆転ゴールを決めた。

後半、「絶対に逆転してこい」と高橋淳監督から送り出された尾間木イレブンがドリブル突破から攻勢に出るが、新座第二中も応戦。ともにチャンスを作り出す一進一退の展開となった。このまま試合が終わるかと思った26分、尾間木中のMF飯澤将颯が左サイドでチャンスメイクすると、FWの上田がペナルティー外から左足を振りぬきシュート。このシュートが豪快に決まり、土壇場で尾間木がスコアを振り出しに戻すことに成功した。

試合はこのままPK戦での決着かと思われた、アディショナルタイムにさらに試合が動いた。新座第二中のMF澤田陸人が右サイドにボールを運び、中央に待ち受けていたFW樋口へ。樋口が落ち着いてゴールを決めて、試合終了間際に、さらに勝ち越しを決める決勝弾を決めてみせた。試合はこのまま終了。新座第二中が、尾間木中との打ち合いを制して、準決勝に進出した。

エース樋口が「チームを助ける」起死回生の2ゴール

「1点目はうまく反転をしてゴールを決めることができました。2点目は澤田君がうまく運んでくれて、自分はうまくスペースを見つけることができて、澤田君からのボールをうまくトラップをしてボールを置くことができたので、シュートコースもしっかり見えて、そこに蹴り込むだけでした」と2ゴールを振り返った。

序盤に失点を許す苦しい試合展開だったが、自らのゴールで同点として流れを引き寄せた。「試合序盤は、緩い雰囲気の入り方をしてしまったので、失点をした後に、気合を入れなおして前半で逆転することができました。尾間木は県リーグでも対戦をしていて、ドリブルで運んでくるチームだということは分かっていたので、チームとしてうまく対処ができたと思います。チームの中で点を取る役割を与えられているので、自分のゴールでチームを助けることができて良かったです」と、エースがしっかりと仕事をした。

そしてエースはアディショナルタイムにも大きな仕事を成し遂げた。「2点目の同点に追いつかれた時はさすがにPK戦になってしまうかと思いましたが、絶対に決めるという気持ちを持ち続けていて、決勝点を決めることができました」と、尾間木が気合いを入れて同点に追いつき、一瞬流れた嫌な空気をエースが一掃して、勝利を呼び込んだ。次戦は、明日27日、秋葉の森で行われる”王者”さいたま原山中と決勝戦をかけた一戦を戦う。

椛沢佑一(取材・文)

試合結果

新座第二 3-2 さいたま尾間木