関東高校サッカー Bグループ1回戦 浦和東 vs 東久留米総合
令和最初の関東大会が茨城県で開幕。Bグループの戦いに臨んだ浦和東高校は1ー0で東久留米総合高校(東京)を下し、見事初戦突破した。2回戦は佐野日大高校(栃木)と対戦する。
開始直後から敵の猛攻に遭った浦和東だが、シュートシーンではしっかりと身体を当てにいくなど決定機は作らせず。この時間を耐えると、伝家の宝刀セットプレーから試合を動かした。
前半21分、右コーナーキックを獲得すると、自陣にキーパーを残してフィールドプレーヤー全員が1列の陣形を形成。MF伊藤大賀のキックとともにそれぞれがゴール前になだれ込むと、ニアサイドに入ったDF吉田勇輝が身体ごとヘディングでゴールに押し込んで先制に成功する。
この1点で流れを掌握すると後半は浦和東のペースで展開。アディショナルタイムには後方からのボールに抜け出したMF佐藤翼丞のシュートがポストを強襲、さらにMF坪内祐輔が狙うもわずかにゴール上に外れたが、きっちりと1ー0で勝ち切って翌日の2回戦に駒を進めた。
試合前には改めて県大会を通じて掲げてきた「浦東らしさ」を確認。立ち上がりは初戦の緊張もあってか固さが見られた中で焦れずに自分たちの戦いを貫き、守備からリズムを作った。
一方で後半はアタッキングサードまでボールを運びながらも予選後に取り組んできた攻撃のバリエーションというのはなかなか発揮できず。平尾信之監督は直前に迫ったインターハイ予選も見据えつつ、「セットプレーで1点、あともう1点流れの中で取れるくらいの力をつけたい」。それでも「0点で行けたのはうちらしさが出た」と、粘り強く戦った選手たちを称えた。
前日の5月31日はBグループ決勝兼3位決定戦の会場であるカシマサッカースタジアムを見学し、モチベーションを高めた。ゲームキャプテンを務めるDF安食龍成は「スタジアムでやりたいっていうみんなの想いを再確認できた。絶対に勝って行きたいです」と力強く語った。
決勝点の吉田は攻守に存在感も「まだ改善点ある」 次戦のさらなる活躍を誓う
予選のゴールはすべてセットプレーから。この日のゴールも十八番のプレーからだった。
コーナーキックにフィールド全員が1列になってなだれ込むと、それぞれが入る位置など計算されたプレーを押し込んだのはニアポストに走った吉田。「多分頭だと思います。自分でもよく覚えてなくて(笑)」。最後は身体ごとゴールに突っ込む熱いプレーでネットを揺らした。
「守備がまず計算できる。サイドに速い選手がいてもあまりやられることなく守ってくれる」と指揮官も信頼を置く右SBは後半、その守備面でも魅せた。中盤で味方が振り切られてピンチを迎えたが、中に絞って安食のカバーに入り、最後まで相手の動きを見てシュートブロック。
攻守で存在感を放った吉田だが、それでも「点が取れて良かったんですけど、立ち上がりは固さもあって周りが見れなかったり、自分のプレーはあまり出せなかった。まだまだ改善点があるので次の試合はもっと頑張りたい」とし、2回戦の佐野日大戦ではさらなる活躍を誓った。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和東 1-0 東久留米総合
1(前半)0
0(後半)0