学校総合体育大会(高校サッカー女子の部)3位決定戦 本庄第一 vs 浦和西
学校総合体育大会(高校サッカー女子の部)は12日、さいたま市浦和駒場スタジアムで3位決定戦と決勝の2試合が行われ、3位決定戦では本庄第一高校が3ー0で浦和西高校を下した。
開始直後にチャンスを迎えた本庄第一はその後もボールを繋ぎながら攻め込むと前半30分、MF和田千咲がペナルティーラインから果敢にシュート。これはキーパーに弾かれたが、こぼれ球を拾ったFW林里咲がダブルタッチで相手ディフェンスを剥がしてゴール上に突き刺した。
1ー0で折り返した後半も本庄第一ペース。1分には和田の低くて早いコーナーキックをニアでMF松野尾沙也がヘディングで突き刺して加点。松野尾はさらに18分に左サイドバックの杉田美穂子のふわりとしたクロスを、今度はファーで再び頭で合わせてこの日2点目とした。
なんとか1点を返したい浦和西は後半21分、前半唯一のシュートを放っていた10番のFW田島鈴音のコーナーキックに、キャプテンのDF八谷真衣が飛び込んだが枠を捉えることはできず。終始ボールを持って優位にゲームを進めた本庄第一が3ー0で勝利し、3位で大会を終えた。
指揮官の語った「なめてかかれ」の真意 本庄第一がメンタルアップで秋の覇権奪取を狙う
3位フィニッシュも日野聡監督は「準決勝がこれじゃなきゃいけなかった。まだそういうメンタルの部分が弱い」とピシャリ。チーム全体に苦手意識のような雰囲気があった中でなかなか得点に結びつけることができず流れを逸し、0ー2で敗れた準決勝・南稜戦の戦いを悔いた。
今年はめぬまカップで県勢唯一の1位トーナメント進出を果たすと1回戦で全国屈指の名門、常盤木学園を撃破。トレーニングマッチでも関東大会出場の宇都宮文星や都大会準優勝の村田女子、幕張総合、常葉大橘といった強豪とトップトップの戦いの中で結果を残してきた。日野監督も「力的には全国に行ってもおかしくはない」と、そのポテンシャルに自信を見せる。
だが、その一方でチームは公式戦となると自分たちのサッカーができなくなってしまうという精神的な弱さも露呈。準決勝ではその悪癖が出てしまい、2大会連続の決勝進出を逃した。
そんなチームに対し指揮官がかけたのが「もっとなめてかかれ」という言葉。ワードこそ強いが、その真意は気持ちの余裕、遊び心を持ってプレーしろということだ。そういう意味では狭いエリアをダブルタッチで剥がした林の1点目はそれが生きた場面。本人も「自分の持ち味を出せた。ドリブルでしっかり相手を釣ってシュートに持ち込めた」と手応えを口にした。
メンタルアップで狙うは選手権での覇権奪取。林は「自分がチームを盛り上げられるような選手になりたい。しっかりと勝ちにこだわりながら、自分のプレーができるように、選手権に向けてもっと成長していきたいです」。日野監督は「秋はもっとなめてかかります」と語った。
石黒登(取材・文)