高校総体 南部支部予選2回戦 浦和北 vs 上尾

高校総体南部支部予選2回戦(3日、川口東高校ほか)。Aブロックでは浦和北高校が2ー1で上尾高校を下した。同校は代表決定戦で秀明英光高校を1ー0で破り、県大会出場を決めた。

ピッチは1回戦と比べればまだ乾いている状態も、場所によっては全くボールが転がらないようなところもあるまばらなコンディション。そんな中で先にスコアを動かしたのは浦和北。

前半15分、MF松原遼がチームとして狙いを持っていたという敵陣左のスペースに配球すると、ぬかるんだピッチで減速して好配球に。これをMF細井優輝が繋ぎ、DF我妻拓実がエリア内で倒されてPKを獲得する。PKはキーパーに弾かれたが、こぼれ球を松原が詰めて先制した。

しかし、上尾もすぐさま反撃。それから3分後の前半18分、右サイドをMF須永悠斗が抉ってマイナスのクロスを送ると、これが相手のオウンゴールを誘ってすぐさま同点に追いついた。

前半は1ー1で折り返した中で、再びスコアが動いたのはリスタート直後だった。後半3分、浦和北は細井の左コーナーキックは一度ファーに抜けたが、これを拾った松原が再びふわりとしたボールを入れ直すと、左サイドバックの新實大智が打点の高いヘディングを叩き込んで勝ち越し。その後もサイドアタックなどで押し込んだ浦和北がそのまま2ー1で勝利を収めた。

古市監督を迎え新スタートを切った浦和北 スポンジのような選手たちと勢力図の塗り替えに挑む

今年4月にふじみ野高校を県大会の常連に育て上げた古市元喜監督が赴任し、新たなスタートを切った浦和北。新指揮官は「やっぱり初戦ということで固かった」としつつも、「教えたことをちょっとずつやろうとし始めたので、それはすごく成長かなと思います」と振り返った。

この日の2点はいずれもこの1ヶ月でやってきたプレー。PKのこぼれに詰めた松原は「古市先生からペナとかアークの1m後ろからキッカーの助走と一緒に入っていけばこぼれも先に触れるからそうやって入っていけと言われて、良い感じで入れました」と練習の成果を語った。コーナーキックも同様にこだわってきた部分で、結果が出たことには各々が手応えを口にした。

新体制からまだ1ヶ月足らずだが、練習の雰囲気も変わってきているそうで、2点目を決めた左サイドバックの新實は「古市先生が「浦北を絶対に変えるぞ!」「強くするぞ!」と言って、いろいろと変えようとしてくれているのがわかるので、じゃあ俺らもそれに応えようと意識を変えて頑張ってきた」。また「寄せの速さだったり、どんどんどんどん走ってボールを取りにいくところが一番変わったところだと思います」と、守備の意識もひとつ変わったと話す。

新任から16年間、ふじみ野一筋で指導してきた指揮官も新たな環境での挑戦に「新しいことをやっていて俺も楽しい。言えば言うだけ応えてくれる子たちだから」と胸を高ぶらせ、「これからです。浦和にも北があるんだよっていうのをちょっとずつ見せたい」と笑みを浮かべた。熱血監督とスポンジのような選手たちの南部の勢力図を覆すような今後の活躍に期待したい。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和北 2-1 上尾

1(前半)1
1(後半)0