平成30年度 埼玉県高校サッカー新人大会準々決勝 細田学園 vs 西武台
新人大会・西部支部予選準々決勝。西武台高校は細田学園高校に4ー0で勝利し、4強に進出した。西武台は準決勝でふじみ野高校と激突、細田学園は東野高校との5位決定戦に回る。
久々の支部予選を戦う西武台だが、新興勢力・細田学園を前にさすがの横綱相撲で圧倒した。
立ち上がりから相手コートに押し込むと前半7分、DF森下怜のクロスをFW谷直哉がヘディングで叩く。これはキーパーに弾かれたが、こぼれ球をDF村田康平が頭で詰めて西武台が早々に先制。さらに8分には1年生FW寺川洋斗のアシストから谷が左足を振り抜いて加点した。
一方、細田学園はサイドに起点を作り、セットプレーなどから1年生FW斎藤真がゴール前に入っていくが、西武台の集中した守りになかなかシュートシーンを迎えることができない。
後半も西武台が優勢にゲームを進める。12分には寺川がゴール前で粘りを見せてネットを揺らしたが、これはハンドの判定に。それでも20分に寺川はペナルティーボックス左斜め前でMF岩田璃玖の横パスを受けると、右足で中央に持ち出して最後ゴール右隅に流し込んで3ー0。
後半29分には途中出場の1年生MF大野田駿の仕掛けからのラストパスに谷が抜け出して自身2得点目でダメを押した。4ー0と勝利した西武台が4強でまずは関東予選を確定させた。
快勝での4強だが、もちろんここに甘んじていいチームでないことは選手たちが一番認識している。「ここでは負けられないです」という谷は「自分から切り込み隊長的な感じでゴールに執着心を持ってチームを引っ張っていきたい」と、4年ぶりのタイトル奪取に向けて、さらにゴールへの意識を高めて牽引していく構え。チーム3点目を決めた1年生の寺川は「ここ何年か全国に行けていないので、この代で全国に行きたい」と、その先に待つ大きな舞台を見据えた。
先制弾に加え果敢なプレーでファール奪取 村田が右WGのファーストチョイスに名乗り
もともとサイドバックが本職だが、新チームからウイングにも挑戦中だ。この日は体調不良から復帰したばかりの大野田に代わり右翼に入ると持ち前の積極性で相手の脅威になり続けた。
前半7分には谷のヘディングのこぼれ球を頭で詰めてネットを揺らした。村田にとってこれが公式戦初ゴール。「最近ずっと外していてみんなからそろそろ決めてくれって言われていたので(笑)」。ゴール後は仲間たちの待つ応援スタンドに向けて特大のガッツポーズで応えた。
「スピードややりきるところ、あとは下手くそなので元気は一番大事にしています」というサイドの仕掛け人は、後半も積極的に相手ディフェンスの前に侵入してファールを獲得。守屋保監督から与えられたタスクを見事にこなし、21分にピッチアウトするまで勢力的に走り回った。
「やっぱりやっていて攻撃したり、点を取ったりできるのでウイングの方が楽しい」と村田。現時点ではオプションのひとつかもしれないが、果敢な仕掛けは相手守備陣にとって脅威だ。このまま活躍を続けていけば右翼のファーストチョイスとなる可能性も十分にありそうだ。
石黒登(取材・文)