平成28年度 埼玉県高等学校サッカー新人大会 準決勝 昌平 vs 武南

12日(日)、新人戦準決勝が行われ、連覇を目指す昌平高校と武南高校が対戦。後半にPK2本を決めた昌平が2ー0で勝利し、決勝進出を決めた。

風上、風下がはっきり分かれたゲームとなった。今季最大級の寒波が日本列島を覆った週末。会場となった昌平高校グラウンドでも強風が吹き荒れた。

序盤から優勢に試合を進めたのは風上に立った武南だった。対する昌平は風下での戦いに苦戦。ビルドアップも思うように進まず、突破力が自慢の伊藤雄教も得意の縦を切られ、難しい展開を強いられる。それでも「風下だったらゼロでいければいいと思っていた」と昌平・藤島崇之監督。

前半を0ー0で終えると、山下勇希の縦パスが入るようになったハーフタイム後は攻め込む回数を増やしていく。先制点もこの形からだった。

後半20分、山下から前線で待つ佐相にスルーパスが入る。ディフェンスを背負いながら受けた背番号9は素早く反転。「いつもの練習通り」という形はシュートまではいかなかったものの、相手ディフェンダーのファールを誘ってPKを獲得し、これを主将の石井優輝が落ち着いて決めた。

その後も風上に移った昌平が試合巧者ぶりを発揮。後半33分には「選択肢を持ってプレーしている」(藤島監督)という山下の浮き玉のパスから佐相が狙っていくなど、ゲームの流れを一気に引き寄せる。

後半36分には追加点。「相手が疲れてきて徐々に縦が空いてきたので、仕掛ける回数を多くした」と伊藤。サイドバックを振り切ってゴール前に飛び込むと、渋屋航平のスルーパスからキーパーに倒されてPKを奪取する。これを再び石井が冷静に沈めて2ー0。試合を決定づけた。

点には結びつかなかったものの、ロスタイムにも山下、佐相のホットラインから決定機を作った昌平。後半は風上の利点を生かしながら武南を押し込み、3試合連続のクリーンシートでファイナルに駒を進めた。

「こういうゲームになるのは想定内。厳しい試合になるという話は選手にもしていた。ただ流れ的な部分では、後半はちょっと空いてくるというのは想定しながらやっていたので、(前半をゼロで抑えて後半は)仕掛けのパスからPKを取れたのが良かった」と藤島監督。

一方、武南の大山照人監督は、前半20分以降のセットプレーのチャンスを振り返り「うちは何もアイデアがなかった」。「風上におけるあのチャンスをどうやってチャレンジしていけるか」を今後の課題だとした。風上、風下におけるゲームコントロールの差が勝敗を分けた。

これで連覇へあと1勝と迫った。高校総体3位に入った昨年のチームは新人戦あたりでおおよそのイメージができあがっていたというが、今年のチームは「まだ探れる部分がある」という指揮官の言葉通り、8番の伊藤、10番の渋屋など伸び代を感じさせる選手が多い。

今大会3戦4発で、持ち前のポストプレーに、得点能力が開花しつつある9番の佐相もその一人。来週と迫った決勝についてコメントを求めると「持ち味を全力で発揮して、自分が点を決めて勝ちたい。決勝でももちろん取りにいきます!」と力強く語ってみせた。

試合結果

昌平 2-0 武南

0(前半)0
2(後半)0