平成28年度埼玉県高校サッカー新人大会 浦和西 vs 西武台

新人戦準々決勝は5日(日)に4試合が行われ、昌平高校グラウンドでは選手権予選4強で1月のニューバランスカップを制した西武台高校と浦和西高校が激突。西武台が後半頭にPKで決めた1点を守りきり、ベスト4に進出した。

昌平高校対聖望学園高校とは打って変わり、1点を争うゲームとなったこの一戦。前半はお互いに攻め手を欠き、0ー0のスコアレスで折り返す。

「前後半を通して“最後までやるぞ!”という気持ちの部分はできていたと思う。ただその気持ちの中でもう一つ、点を取りに行く姿勢だとか、もっと積極的に相手を崩していくプレーが欲しかった」と西武台・守屋保監督。

先制点はそれを体現したような得点だった。後半キックオフと同時に前線のFW三田光希、MF山口賢人、小林一貴の3人がゴール前になだれ込む。新人戦の前から言われていたというこの形。小林がつなぐと、山口がドリブルで運んで、ペナルティエリア内の三田にスルーパス。これが相手のファールを誘い、キッカーの宮田輝がゴール左隅に落ち着いて決めた。

しかしその後は再び一進一退の攻防に。西武台は後半9分に山口が追加点のチャンスを迎えるが、ここはGK斉藤大伽がセーブ。1点が欲しい浦和西は10分の楮本颯を皮切りに、19分に森喜紀など、31分までの約20分間で5枚のカードを切って状況の打開を図っていく。

浦和西は後半35分以降、攻撃時は、ほぼ全員が攻撃参加。するとアディショナルタイムにコーナーキックを獲得する。ここを勝負所と見るやGK斉藤も前線へ。斉藤が競ったこぼれ球を森が振り抜いたが、ボールは西武台GK高麗稜太の腕の中に収まり同点ゴールとはならず。

結局、この虎の子の1点を守りきった西武台が南部支部1位の浦和西を下し、2年ぶりの頂点に向け準決勝に駒を進めた。

決勝点の場面でこそ積極性を示したものの、「まだまだその数が少ない」と守屋監督。PKを獲得した9番の三田も「堅い守備が基本だが、そこからもう少し連動させていきたい。(前線からプレスをかけて)前で奪って、シュートまで早く持っていくこと」が課題だとした。

準決勝では今年、清水慎太郎(大宮アルディージャ)を擁した2013年西武台以来の全国選手権8強入りを果たした正智深谷高校と対戦する。

「そこから正智深谷にはかなわない西武台になってしまったので、そろそろ食らいついていける西武台に変えていきたい」と指揮官。宮田も「1年生の時に3年生が(選手権予選)決勝で負けているのを見ているので、自分たちが勝って悔いを晴らしたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和西 1-0 西武台

0(前半)0
1(後半)0