第97回全国高等学校サッカー選手権大会 埼玉県1次予選会 1回戦 浦和工業 vs 和光

選手権1次予選会1回戦が23日に各地で開幕。和光高校グラウンドでも2試合が行われ、第1試合は和光高校がFW菅原大河のハットトリックなどで4ー1で浦和工業高校を下し、2回戦進出を果たした。2年ぶりのブロック決勝を目指し、和光は2回戦で浦和北高校と対戦する。

序盤戦を制しペースを握ったのは和光。MFカバリェロ・パブロ亮を起点に前半7分、10分と左サイドから連続して決定機を迎える。その後も攻撃を続けると試合が動いたのは前半32分。

セットプレーの2次攻撃からカバリェロのクロスに「先制点は大きく試合を動かす1点。決めたいという気持ちが自分をそこの位置に動かしたんだと思います」と前線で残っていたキャプテンのDF嶋村竜明がニアサイドですらして、反対側のネットに流し込んで和光が先制した。

対する浦和工業は後半頭からFW常見晃平、2年生FW田制鮮輝と前線2人を変更。立ち上がりからハイプレスをかけてボールを奪い、田制のパワフルなドリブル突破から打開を試みる。

しかし次にスコアを動かしたのも和光。後半11分、MF今井龍生のパスにダイアゴナルに走り込んだ2年生FWの菅原が最後は1対1を冷静に右足で流し込んで2ー0。さらに菅原は27分にコーナーキックをキーパーがファンブルしたボールを豪快にネットに叩き込むと、37分には再び今井のアシストから今度はヘディングを突き刺してハットトリックとし、勝負を決めた。

浦和工業も後半アディショナルタイムにコーナーキックから途中出場の2年生FW大津孝祐が決めて1点を返したが、反撃もここまで。4ー1で勝利した和光が2回戦にコマを進めた。

「今年は例年に比べてタレント性はないと思っているんですが、その分まとまり感がすごくあって、チーム力っていう意味では例年よりもあるんじゃないかと思っています」と着任5年目の水間貴也監督。3学年合わせて17名。いまの3年生が1年の頃は最高学年の卒業と同時に一時部員が3人になったこともある。主将の嶋村は「その時からは考えられないようなチームができた。(いま揃ってサッカーできているというのは)とても嬉しいです」と言って笑った。

一昨年はブロック決勝で深谷第一高校に0―11で敗戦。その試合に途中出場した嶋村は2回戦の浦和北戦に向け、「自分たちよりも上のチームですが、しっかりと気持ちを引き締めて戦えば勝てないことはない。みんなで気持ちを高めてやっていきたいと思います」と意気込んだ。

一番で高校初のハットトリック 2年生FW菅原「3年生とプレーする時間を多くしたい」

1点目は味方のパスにダイアゴナルに抜け出して冷静にキーパーとの1対1を制してゴール、2点目はコーナーキックのこぼれ球を見逃さずに豪快にネットに蹴りこむと、後半アディショナルタイムには駆け引きからうまくマーカーを外してヘディングで決めて勝負を決めた。

「サッカー人生で3回くらいしかしたことがない」というハットトリックは高校生活では初。「チームで勝てたことが一番なのでおまけ」とあくまでもチームの勝利を一番としながら、「迷惑をかけてばかりだったので、こういう大事な時に仕事ができてよかった」と喜んだ。

「3年生とプレーする時間を多くしたいので、今後のことは考えないでとりあえずいま頑張りたいですね」と菅原。2回戦に向けては「集中を切らさずに、また自分のゴールでチームを勝たせることができればいいなと思っています」と語り、2戦連続ゴールに意欲を示していた。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和工業 1-4 和光

0 (前半) 1
1 (後半) 3