[女子新人戦]昨年2大会の涙も力に 花咲徳栄、南稜を振り切り3年ぶり7度目の新人戦制覇。末っ子世代が掴んだ再出発のタイトル

昨年2大会の悔しい経験を繋げ、タイトルを掴んだ。令和7年度埼玉県高校女子サッカー新人大会は15日に決勝を行い、花咲徳栄が1-0で南稜を下して、3年ぶり7度目の優勝を飾った。

花咲徳栄は昨年、総体予選、選手権予選でともに決勝進出を果たしながらも涙。末貴光監督も「2大会連続で逃しているので、その想いが選手たちは一番大きかったかなと。練習の姿勢も良くて、一生懸命取り組んでいたのでタイトルが取りたいんだろうなというのは感じましたね」と話す。

その花咲徳栄は開始1分にいきなりスコアを動かす。敵陣でルーズボールをコントロールした10番MF柾谷雫(2年)主将がゴール前にクロス。これがキーパーの上を越してファーポストに当たると、FW沼口珠理(2年)が繋ぎ、最後はFW吉谷地世菜(1年)が詰めて先制した。

末監督も「逃したタイトルの中には逆に早く取られたこともあった。優勝したい気持ちがそのまま出た」というゴール。しかし、早い時間帯での得点が、その後のゲームを難しくしてしまう。

準決勝で女王・昌平を破った南稜は、やや緩く入った立ち上がりの時間を突かれて失点したが、徐々に落ち着きを取り戻し、ディフェンスラインからしっかりと繋ぎながら、1年次から主力を務めるCB横山莉央(2年)のキックなど、縦の展開も使いながらゴールに迫ろうと試みる。

21分には左SB松原璃桜奈(1年)のフィードからFW村上絢菜(2年)が抜け出しを狙うが、花咲徳栄はGK堀内那実(1年)が積極的な飛び出しから裏のスペースを埋めてストップする。

花咲徳栄は2年目を迎えた柾谷、MF米彩寧(2年)のボランチコンビが中盤でボールを回収。攻撃面でもキーポイントになる柾谷が多くボールを受け、捌きながらリズムを作り、そこからのスルーパスなどでチャンスメイクを狙うが、攻めきるには至らない。南稜は33分、横山のキックからの展開で右クロスにFW小嶋ゆうき(1年)が飛び込んだが、あと1歩が合わなかった。

花咲徳栄は後半の立ち上がり、吉谷地が抜け出して左足のシュートでゴールに迫る。後半はこのシュート1本のみだったが、ディフェンス面では前線の吉谷地が前で限定をかけながら、DF菊地紡喜(2年)やDF橘高千奈(1年)のCBコンビを中心に粘り強く対応し1-0で勝利した。

花咲徳栄は実に3年ぶりのタイトル。柾谷は「自分たちは優勝したことがないですし、優勝したのを見たこともなかったので、喜び方もわからなかったけど、幸せですし嬉しい。まだ実感はわかないんですけど、良いスタートができたのかなっていうのがあります」と笑顔で喜びを語った。

準決勝の川口市立戦では、MF宍戸凜花(2年)が鎖骨を骨折。宍戸がもらったペナルティキックを決めて2-1で勝利したが、決勝を前にチームはエースを欠くこととなった。米は「凜花が取ってくれたPKで、あれがなかったらここに立てていないと思う。凜花のためっていうのもあるし、この代で優勝できて良かった」。試合後の恒例のカップリフトでは宍戸もカップを掲げた。

柾谷や米、宍戸を筆頭に、吉谷地やMF丸茂楓歩(2年)、DF魚住いろは(2年)、DF斎藤絢花(1年)の両SBなど、昨年の経験者も多いチームで指揮官も「個々で面白い選手がいるので、そこを生かしたサッカーができれば」。また、柾谷は「自分たちの代は末っ子が多い(2年生12人中10人が末っ子)。とにかく末っ子はがむしゃら。その負けず嫌いとかがむしゃらが、全部、いままでの試合に出てきて、気持ちで勝った大会だと思います」と今年のチームの特徴を明かす。

末監督は「タイトルを取ることで成長するというところもあると思うので、今回を機にこの大会以降も一番を目指して頑張ろうと思いますし、逆に追われる身となるのでもっともっと厳しくなるかなと思うんですけど、頑張って成長していければ」と語る。柾谷は「ここで優勝できたっていうことは、自分たちも頑張れば全国に行けるかもしれない。だけど、ここで調子に乗るんじゃなくて、1回冷静になって、また優勝できるように、浮かれないで頑張ります」と気を引き締めた。この春もめぬまカップなどで経験値を積み上げながら、全国を目指してとにかく成長する。

石黒登(取材・文)

試合結果

南稜 0-1 花咲徳栄
0(前半)1
0(後半)0