[新人戦]“裏選手権”覇者・武南がまずは埼玉1冠!延長戦で初優勝狙った聖望学園振り切る。対応しても止められない「エグさ」追求し、今年の主役に
“裏選手権”覇者・武南がまずは県内1冠目。令和7年度埼玉県高校サッカー新人大会は15日に埼玉スタジアム第2グラウンドで決勝を行い、武南と聖望学園が対戦。武南が延長戦の末に1-0で競り勝ち、西武台との両校優勝だった2024年以来、2大会ぶり12度目の優勝を果たした。

両チームともに連戦の疲れも見えた試合。武南も全体的に動きが重く、MF小山一絆(2年)主将は「ちょっとロングボールに頼る場面があったかなと。距離感が近くなってきたら、パスもドリブルも全部できるっていうのは練習の中でやってきている中でそれが出せなかった」と話す。
「ハーフタイムは“もっとチャレンジしていけよ”っていうのは一番強く言われて。強度の部分だったり、もっと潜れよというのはずっと言われていました」(小山)。後半、武南は左MF渡辺悠(2年)や右MF鞭馬小太朗(2年)の両翼が仕掛けながら、潜り込むプレーを増やしていく。
3分には渡辺がドリブルから左足シュートで迫り、6分には今度は鞭馬が仕掛けてクロス。このボールを渡辺がダイレクトで狙うが、聖望学園GK竹川凌平(1年)が好反応を見せて防いだ。
初優勝を狙う聖望学園は、準決勝の昌平戦同様、1年生守護神の竹川を中心に粘り強い守り。その上で後半は前に出る回数も増やす。19分、FW鈴木亮人(2年)のクロスをMF指田風太(1年)が胸で落とし、この攻撃の起点となったMF川野光樹(2年)主将が右足ダイレクトで狙うが、シュートは枠外に。33分にはFW小沼慶朋(1年)が抜け出したが、決めきれなかった。
武南はアディショナルタイム、小山が持ち味の相手の矢印を感じるドリブルでエリア内に潜り込み、左足で決定的なシュートを放ったが、これはわずかに枠を捉えきることができなかった。
延長戦も武南が攻勢を仕掛け、1分にはMF小川慈生(2年)が、2分には鞭馬が決定機を迎えるが、どちらも竹川が立ち塞がった。それでも武南は4分、延長前半から投入されたFW角啓汰(2年)の右クロスに、こちらも途中出場のFW渡邉柊羽(1年)が飛び込んで合わせ均衡を破った。渡邉は大会初戦の春日部戦で4ゴールの活躍。一方で準々決勝はゴールに絡めず、準決勝は不出場だった。「今日最後、絶対決める意識で行って、決められて良かった」と笑顔を見せた。
このゴールが決勝点となり、武南が2年ぶりの大会V。今大会は4試合21得点の攻撃力に加えて、内野慎一郎監督は「無失点で終われたことは良かった」。また、昨年の選手権予選決勝では内容面では上回りながら、昌平に惜敗していただけに「どんな相手でも、きつい時でもキチッと勝ちで終われるということはひとつ良かったことと思います」と勝利で終えたことを評価する。
一方で、内容面に関しては課題も。「強烈さ、エグさのところはすごくこだわってきた中で、それが保守的になると、前にボールが入らない。ドカーンと蹴るボールだったり、差すボールだったり、相手が嫌なポケットだったり、スペースをうまく見つけてそこに配球が入ることで、相手のラインを下げたいと思っているのに、パスミスだったり、後ろに下げることが多くなってきたから、相手にとって、それは脅威じゃ全然なかった。その雰囲気を与えられなかった」と語る。
「エグさ」というのは今年の武南のキーワード。U-17日本高校選抜の逸材・小山や渡辺、鞭馬、DF八百川尚輝(2年)ら、個を持った選手たちが常にドリブルやパス、シュートもできるといった具合に「相手に嵌められない選択肢」を持ち、対応しても止められないチームも目指す。「もっともっと練習で、もうちょっとその雰囲気は、こういう時にエグさを出すっていうのは、何でもかんでもドリブルすればいいとか、何でもかんでもやればいいっていうわけでもなくて、その判断とタイミングがあると思うので、もう一歩進化したものをお見せできればなと思います」。
今年は出場校の豪華さから“裏選手権”とも呼ばれる「NEW BALANCE CUP 2026 IN TOKINOSUMIKA」で優勝した中で、まずは県内1冠。小山主将は「これに慢心せず、もっとうまくなるところだったり、変えられるところがあると思うので、それをもっとやっていきたい」と意気込みを語った。昨冬の裏選手権覇者・鹿島学園は全国高校サッカー選手権大会で準優勝。そういった意味でも注目を集める世代が「うまさ」「エグさ」を追求して、今年の主役になる。
石黒登(取材・文)
試合結果
聖望学園 0(延長)1 武南
0(前半)0
0(後半)0
0(延前)1
0(延後)0


