平成30年度高校総体 女子サッカー埼玉県予選3位決定戦 本庄第一 vs 入間向陽

13日は3位決定戦と決勝の2試合が行われ、3位決定戦は本庄第一高校と入間向陽高校が対戦。前後半2点ずつを奪った本庄第一が入間向陽の反撃を1点に抑えて4ー1で勝利した。

立ち上がりこそ押し込まれた本庄第一だが、10分過ぎあたりからペースを握ると試合が動いたのは前半19分。MF渡邉百優の縦パスを収めたMF松野尾沙也がターンから相手の裏にスルーパスを供給。これに抜け出したFW越高羽菜は中盤あたりからドリブルを開始すると最後は左足を振り抜いてゴールネットを揺らした。新人戦ではセンターバックを務めていたが、今予選はゴールを狙う姿勢を買われて1トップに入った背番号4のゴールで本庄第一が先制する。

さらに本庄第一は前半アディショナルタイムに追加点。松野尾のクロスが抜けるとエリア右深くで受けた渡邉は、クロスが難しいと見るや咄嗟にループシュートを選択。「(自分でも)驚きましたね(笑)」という技ありシュートはキーパーの頭上を越えてゴールに吸い込まれた。

2点ビハインドの入間向陽は迎えた後半、前半相手の守備に苦しんだMF由利嶺花が起点となって前に出るシーンを増やしていくが、なかなかシュートまで持っていくことができない。

逆に本庄第一は後半15分にDF和田千咲のロングシュートが決まり3点目。27分には怪我明けで後半ピッチに立ったFW林里咲が得意のスピードドリブルから右足で決めて4ー0とした。「最近得点できていなかった。仲間から呼ばれて出そうか迷ったんですけど、やっぱりここは勝負したいなと思った。得意のドリブルからのシュートで決められて良かったです」と林。

入間向陽は後半33分、フリーキックから混戦になったところをMF竹井日向美が押し込んで一矢報いたが及ばず。4ー1で勝利した本庄第一が3位、入間向陽が4位という結果となった。

準決勝で花咲徳栄に0ー2で敗れて3位決定戦に回った本庄第一。「ルーズボールの対応」や「決定力」という部分に差を感じた中で「もっとビビらずに戦えたらもしかしたら勝てたのかなと」と和田はいう。「十分に逆転できる距離だなっていうのを体験できたのは大きい。これから伸びると思います」と語った日野聡監督は「秋は必ず取ります」と言葉に力を込めた。

1年生MF松野尾が存在感 先制アシストで真骨頂を見せる

秋に向けての第一歩を踏み出した若いチームで存在感を放ったのが1年生MFの松野尾沙也だ。

この日はトップ下で先発すると長身の越高の周りを精力的に動きながらセカンドボールを奪取。攻撃に繋げた。特に指揮官が評価したのは先制点のアシストのプレー。シュートを決めた越高も「沙也のパスのおかげ」としたラストパスは真骨頂だ。「自分は足があまり速くないので、足元で受けてターンしてラストパスをたくさん出していきたいと思います」と松野尾。

今予選は林の負傷もあり1回戦から出場する中で「試合を重ねるごとに自分のプレーが出せるようになった」と日々存在感を高める。まだ1年生ということで体力面は今後の課題だが、「完全にスタメンを取って、フル出場できるくらいの体力をつけて、3年生に負けないくらいの自分のプレーを見つけたいと思います」とレギュラーポジション争いにも意欲を見せた。

石黒登(取材・文)

試合結果

本庄第一 4-1 入間向陽

2(前半)0
2(後半)1