[プリンス関東1部]焦れずに戦い、RB大宮U18が平家の同点弾で3位確保。1年での復帰目指すプレミアPOへ
7日、高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2025関東1部リーグは最終節となる第18節が行われ、3位・RB大宮アルディージャU18は横浜F・マリノスユース(神奈川)に先制を許すも追いつき1-1の引き分け。3位で12日開幕のプレミアリーグプレーオフ進出を決めた。

RB大宮U18は前期、5バックの横浜FMユースを崩せずに0-3で敗戦。今回も後ろ5枚で来た相手に対し、「どれだけ焦れずに自分たちができるか」(丹野友輔監督)をテーマに臨んだ。
前半8分に早々に失点したが、前期やられたカウンターを警戒しつつ、U-17日本代表MF神田泰斗(2年)を中心にボールを動かし、相手を広げながらギャップを突いて刺す攻撃を見せる。
24分にはU-17日本代表MF 小林柚希(2年)が10番FW平家璃久斗(3年)とのパス交換から右サイドを突破。クロスを平家が落としたボールをエリア内まで走り込んできた右SB 遠藤柊眞(2年)が狙い、28分には縦パスに抜け出したMF田中奏良(3年)がゴールに迫った。
HTにはチームとしてキーワードとしている守備連動からの良い攻撃の部分、焦れずにボールを動かし空いてきた穴を刺しにいくこと、またクロスの際の次の準備や切り替えの徹底を再確認。1点ビハインドで折り返したが、後半も焦ることなく自分たちがやるべきことを徹底していく。
後半は田中、DF木寺優直(2年)の左サイドから攻撃を仕掛け、11分に木寺が惜しいシュート。14分にはMF斎藤滉生(3年)主将のクロスでFW野口蒼琉(3年)がヘディングで迫る。
焦れずに攻撃を続けると、22分、サイド攻撃のこぼれを遠藤がエリア内に針の穴を通す絶妙なスルーパス。これを「自分はこのシーズンを通してなかなか得点というところでチームに貢献できていなかったので、この試合にかける想いが強くて。内容どうこうより得点でチームに貢献したい想いが強かった」という平家が右足でしっかりとコースに流し込んで同点ゴールを奪った。
試合はこのまま1-1で終了。3ポイント差で追う4位のジェフユナイテッド市原・千葉U-18(千葉)が勝利したものの、RB大宮U18が勝ち点「32」に伸ばし、プレーオフ進出を決めた。
最終節は他会場の結果次第ではあったものの、勝てば優勝の可能性もあっただけに、丹野監督は「引き分け以上でプレーオフが決まるっていう状況でしたけど、別にそこは考えずに、優勝して行こうっていうところをフォーカスして、選手と共有しながら取り組んできた中で、その結果、プレーオフに行けるっていうのが決まったっていうのは良かったかなと思います」と振り返る。
今節戦った8位の横浜FMユースも7勝を挙げるなど、今年のプリンス関東1部は実力が拮抗。その中で「紙一重のところを手繰り寄せられた結果がいまになるのかなと思います」(監督)。斎藤は「劣勢に立ちながらも失点させないで耐えて、最後に得点して勝つとか、そういうのは普段の練習から全員が意識してやっているので、難しい試合が多くなりましたけど、結果3位っていう形になったのはその積み上げてきたものがっていうのが最後出たかなと思います」と話した。
12日からは1年での復帰をかけたプレミアプレーオフに臨む。斎藤は「自分は去年から出させてもらって、本当に去年の悔しさがあって、それが活力になっていまがある。去年の3年生の悔しい想いもありますし、丹野さんと2年間一緒にやってきたっていう想いもあるので、たくさんの人の想いを胸に戦って、絶対に勝ちたい」と意気込みを語った。あの時の悔しさをエネルギーにしピッチ内外で各々が成長してきた1年間。その集大成を見せてプレミアの舞台に復帰する。
石黒登(取材・文)
試合結果
RB大宮アルディージャU18 1-1 横浜F・マリノスユース
0(前半)1
1(後半)0


